おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

サスペクツ・ダイアリー すり替えられた記憶

からしとしと雨降りの一日。
気温は高めで春のコートでもよさそうな感じ。

映画「サスペクツ・ダイアリー すり替えられた記憶」を観た。

世の中をどう解釈するかは
過去をどう記憶しているかで変わる。
人は感情を正当化するため記憶をすり変える。
そんな前置きから物語は幕を開ける。

ここに、自らの体験を綴った
「虐待と喪失の体験記」と題した本を引っさげ、
書店でにこやかにサイン会を行う
若手のベストセラー作家がいる。

親父から育児放棄と虐待を受けてきた彼にとって、
ようやく辛い過去の苦労が報われたとも言える。

波に乗ってる彼は、担当編集者にせっつかれ
新作の執筆に取り掛かることになった。
妻殺害の容疑で巷のニュースを騒がせている
ソフトウェア技術者の犯罪実録だ。

彼の親父がそうであったように、
父親なんてものはたいがいクズに決まっている。
こいつもきっとそうに違いない。
自身の体験もあいまって腕が鳴る案件だ。

さて、裁判の傍聴に駆けつける合間を縫って、
彼がファンを前にした朗読会に
登壇していた時のことだった。

突然老いた親父が乗り込んできた。

こいつの言うことたァ全てデタラメだ!
クスリに溺れたバカ息子だ!

えッ?

人でなしの親父は著書で死んだことになっている。
どういうこと?
客席はたちまち騒然となった。

親父いわく、息子は非行に走ったあげく
薬物中毒に陥っていたのだという。

そうすると著書の内容は真っ赤な嘘ではないか。

クレームの嵐に担当編集者もカンカン。
出版社から契約を切られるばかりか
このままでは訴訟問題に発展しかねない。
もちろん新作の話もパーだ。

彼は自らの記憶のままに
真実を書いたつもりだったのに、
これどういうことか。
こうして彼は精神的に追い詰められてゆくのだった。

物語は、自身の心の闇に迫ってゆく
ベストセラー作家をサスペンス仕立てで描いた
ヒューマンドラマ。

人の記憶は曖昧だと物語はいう。
果たして彼は、真実と向き合い、
立ち直ることができるのだろうか。

僕らは他人の記憶を疑うのに、
なぜ自分の記憶を疑おうとはしないのだろう。

主人公のこの言葉にハッとさせられる。
記憶のすり替えは誰にでも起きているという。
我々の記憶も、実はとんでもない
誤解の産物なのかもしれない。
なんだか自信がなくなってきた。

妻を殺害したソフトウェア技術者のエピソードが、
期待したほどメインストーリーに絡んでこない。
このエピソードは必要ないようにすら思える。
シナリオにやや難あり。
残念。

ジェームズ・フランコエド・ハリス
シンシア・ニクソン
ラム・ダイアリー」のアンバー・ハード
「フューリー」のジム・パラック、
「忘れられない人」のクリスチャン・スレイター共演。

原題「THE ADDERALL DIARIES」
2015年 制作。
R-15+

ソーシャルメディアのボタンがあちこち付いとるけど、イロイロ面倒やから押さんでええんやで。