おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

セルフレス/覚醒した記憶

どんよりと暗い雲がたちこめ、時折ぽつぽつと雨粒が頬にかかる。
日中も気温が上がらず寒々しい一日。

映画「セルフレス/覚醒した記憶」を観た。

ゴージャスなペントハウスからセントラル・パークを見下ろす老人がいる。

彼はニューヨークの建築王と称される、御年68になる富豪だ。
仕事に生涯を捧げてきた彼であるが、ここにきて余命半年を宣告されてしまった。

生涯をかけて造り上げてきたものが失われてしまう、まさに痛恨の極みである。
しかも、愛する一人娘とは疎遠のまま。
父を毛嫌いする彼女と和解する時間は、もう彼には残されていなかった。

さてそんな時、彼は「肉体を脱皮する」という怪しげなフレコミのバイオテクノロジー企業に出会う。

特殊なマシーンを使い、遺伝子操作で作られた健康な肉体に顧客の魂を転移させるというのだ。

莫大なカネがかかるので顧客は彼のような選ばれた富豪ばかり。
それでも、カネで不老不死が買えるのなら悪くない。

溺れる者は藁をも掴むという。
こうして彼は若く新しい肉体に生まれ変わった。

自分は既に死んだことになっている。
親しかった者に会うことは企業側からかたく禁じられているが、別人になりきって第二の人生を歩むのもそう悪くない。

ところが脱皮の副作用だろうか。
彼はたびたび幻覚に悩まされることになる。

戦場をゆく兵士たちや、カボチャの形をした給水塔、そして見知らぬ女と子供。
これらは一体、何だろう。

興味に駆られ調べ始めた彼は、思いがけない光景を目の当たりにするのだった。

物語は、人類の夢、不老不死をテーマに、カネで若い肉体を手に入れた富豪が、その肉体の出処である企業の闇に迫ってゆくSFサスペンス。

カネにものを言わせる自分のような人間が、歪んだ商売を成り立たせている事実に彼は驚愕する。

売ってるから買っただけだと金持ちはいう。
でもその臓器の出処はどこなのだろう。
患者には知る由もない臓器移植の闇を髣髴とさせる。

滑り出しは上々。
ところが、中盤に行くまでもないうちにラストが読めてしまうひねりのない展開。

また、頭脳派の富豪が戦闘能力に長けた肉体派に化けるなんて、アクションシーンを撮りたいがためと言わんばかりじゃないか。
シナリオがやたらと作為的すぎやしないか。
感動を売りにしているが、映画としては面白味に欠ける。
残念。

ザ・ウォーク」のベン・キングズレー
「ボーダーライン」のヴィクター・ガーバー、
「ハンナ」のミシェル・ドッカリー、
イノセント・ガーデン」のマシュー・グッド、
ライアン・レイノルズ
「ブロークンシティ」のナタリー・マルティネス
エンド・オブ・ザ・ワールド」のデレク・ルーク
ブレンダン・マッカーシー共演。

原題「SELF/LESS」
2015年 制作。

ソーシャルメディアのボタンがあちこち付いとるけど、イロイロ面倒やから押さんでええんやで。