おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ザ・ブリザード

もこもこのダウンを脱ぎ捨て、軽やかな春コートの出番だ。
日差し暖かな晴天の一日。
高騰していた野菜の価格もようやく戻り、八百屋に活気とときめきが戻ってきた。

映画「ザ・ブリザード」を観た。

海難事故が多発する大嵐の季節を迎えた、時は1952年2月。
マサチューセッツ州チャタム北東16キロの外洋をオイルタンカー ペンドルトン号がゆく。

荒れ狂う波にもまれる船は衝撃に耐え切れず、溶接した脆い箇所に亀裂が入ってしまった。

このままでは危ない!
ところが、速度を落とせと進言する機関士を省みなかった船長の判断が運の尽き。

なんてことだろう。
船は真っ二つに割れ、操舵室と無線室を失ってしまった船は、残された乗組員を乗せタンクの浮力だけで嵐の海を漂流することになってしまったよ。

とはいえ、浮いていられるのもせいぜい4~5時間だ。
彼らは一体どうなってしまうのだろう。

一方、ここはマサチューセッツ州の港町チャタム。
吹雪の中、岬の自宅に戻ってきた漁師が、海の向こうから唸るように響く汽笛を耳にした。

間違いない。これは救難を求める船だ。

この一報は、すぐさま港の湾岸警備隊に届けられたものの、あいにく主力の救命艇がナンタケット沖で漂流する別のタンカーの救難に出払っているではないか。

でも、助けを求める船がある限り、ベストを尽くすのが彼らの仕事だ。

こうして若き隊員を筆頭に、志願した総勢4名のメンバーは小型救命艇で荒れ狂う極寒の海に乗り出すことになった。
しかし、湾内の砂州と呼ばれる浅瀬の難所を越えねば外洋には出られず、このままでは二次災害にもなりかねない。
ああ、彼らは一体どうなってしまうのだろう。

物語は、湾岸警備隊史上もっとも偉大な功績とされる決死の救出劇を描く。

迫り来る大波と揺れが売りの、アトラクション化された映画館向けにつくられている。

救難に当たった湾岸警備隊員のプライベートな恋愛事情までからめたストーリーからは、感動をより盛ろうとしている「アルティメット・サイクロン」にも似たあざとさを感じる。
丁寧に描こうとすればするほど面白くない、実話を基にした作品によくありがちな落とし穴に陥っているようだ。
制作費をしこたまつぎ込んだであろう映像こそ美しいものの、物足りない作品。
残念。

「エージェント・ライアン」のクリス・パイン
「シンデレラ」のホリデイ・グレインジャー、
ボー・ナップ、
「NY心霊捜査官」のエリック・バナ
インフェルノ」のベン・フォスター
カイル・ガルナー、
「キャロル」のジョン・マガロ、
ファーナス 訣別の朝」のケイシー・アフレック
ジョン・オーティス
ホビット 思いがけない冒険」のグレアム・マクタヴィッシュ、
マイケル・レイモンド・ジェームズ共演。

原題「THE FINEST HOURS」
2016年 制作。