おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ニュースの真相

朝からざあざあ降っていた雨もようやく上がったようだ。
暗い雲が立ち込めるどんよりした空模様の一日。
気温上がらず空気が冷たい。

映画「ニュースの真相」を観た。

時は2004年10月。
ワシントンD.C.の法律事務所を、憔悴しきったひとりの女性が訪れた。

彼女の名はメアリー・メイプス。
CBSの人気報道番組「60ミニッツ」のプロデューサーで、アブグレイブ収容所における捕虜虐待を暴き、国内に大論争を巻き起こしたこの道20年のベテランだ。
そんな彼女に一体何があったというのだろう。

時は4ヶ月前に遡る。
再選を狙うブッシュとケリー候補による、大統領選の行方を占うニュースで世間は持ちきりだ。

そんな中、新たなテーマを模索する彼女は、ビンラディンの親族がブッシュの石油会社の出資者だという噂を耳にする。
ビンラディンとブッシュが繋がっているのだろうか。
これが本当ならどえらいことじゃないか。

足がかりとして、ここはひとつブッシュの経歴を洗い出してみよう。
そこで、優秀な報道チームを集め取材を始めた。

ベトナム戦争が混迷を極めていた頃、ブッシュはテキサス空軍州兵を務めていたようだ。
公文書にはいずれも「非常に優秀なパイロット」であったと記されている。

これ、いくらなんでも褒めすぎじゃね?

本当のところ、ベトナム戦争を免れるためにコネで州兵になったのでは?
その証拠に、第147航空団は有力者の子弟ばかりであったという。
疑惑は尽きないが、当時の関係者の口は重い。
だって、権力者に逆らおうものならタダじゃ済まないもの。

それでも粘り強く取材を続けるうちに、ようやく証拠となる文書を持つ証言者が現れた。

やはりコネで州兵になったばかりか、軍歴も嘘っぱちではないか。
当時は、汚職やあからさまなえこひいき、権力の乱用などが恒常化していたのだという。
これはものすごいスクープだ。

こうして番組枠を押さえた9月8日。
インタビューは慌しく編集され、CBSはブッシュの経歴詐称疑惑を大々的に報道した。

真実を暴く、ジャーナリスト冥利に尽きる瞬間だ。
しかし、権力にたてつくという事がどういった事態を招くのか、彼女たちはまだ何も分かってはいなかった。

彼女たちは信憑性に乏しい虚偽の報道を行ったのだろうか。
物語は、メアリー・メイプスの自伝をもとに、ブッシュの経歴詐称にまつわる報道スキャンダルの真相に迫る社会派ドラマ。

質問することは重要だ。
やめろと言われたり、偏向だと批判されたりしても、質問しなくなったらこの国は終わりだ。
そんな老キャスターの言葉がずしりと響く。

打ちのめされようとも心は売らない、気骨あるジャーナリスト魂に心打たれる。
こうした、真実の追及者としての報道の重要性を説くと同時に、報道によって論点が巧妙にすり替えられてゆく危うさについても警鐘を鳴らしている。
見ごたえある一作。

ケイト・ブランシェット
ロバート・レッドフォード
エージェント・ウルトラ」のトファー・グレイス
「噂のモーガン夫妻」のエリザベス・モス、
「ザ・ワーズ 盗まれた人生」のデニス・クエイド
ドローン・オブ・ウォー」のブルース・グリーンウッド
「ゴールド 金塊の行方」のステイシー・キーチ
デビッド・ライオンズ、
レイチェル・ブレイク、
ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、
アンドリュー・マクファーレン、
スティーブ・ジョブズ」のダーモット・マローニー共演。

原題「TRUTH」
2015年 オーストラリア、アメリカ制作。

ソーシャルメディアのボタンがあちこち付いとるけど、イロイロ面倒やから押さんでええんやで。