おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ヤング・アダルト・ニューヨーク

強風吹き荒れる曇り空の一日。
寒の戻りもあって風が冷たい。

映画「ヤング・アダルト・ニューヨーク」を観た。

ここニューヨークに、子供のいない中年夫婦がいる。
夫はドキュメンタリー専門の映画監督。
そして、高名な映画監督を父に持つ妻はプロデューサーだ。

子供が生まれた同世代の友人らとは違い、ライフスタイルに大きな変化のない彼らは、何に縛られることもなく十年前と変わらぬ日々を送っている。
思う存分好きなことをやって豊かな暮らしが成り立つのだから、うらやましいカップルだ。

でもね、年齢には勝てない。
気は若いつもりでも、四十半ばにもなれば身体のあちこちにガタが出てくるし、努力はしたものの結局子宝には恵まれず。

また、映画監督の夫は、作品に対するこだわりの強さと、他人に頭を垂れることができない頑固な性格もあいまって、思うように新作を世に送り出せず焦りを感じ始めていた。

ちょうどそんな頃、教鞭を執っている生涯教育のクラスで、創作意欲に溢れる若いカップルに出会う。
若者いわく、ドキュメンタリーの作家を目指しているのだという。

子育てに追われる友人と疎遠になり孤立しがちなオッサン夫婦にとって、この古きモノを大切にしつつ、新しいモノも柔軟に取り入れる若者たちのライフスタイルは、実に刺激的でやたらと眩しく映った。

こうして、映画づくりの話題で年代を超えて意気投合した彼らは、共同で新たな発想を出発点にしたドキュメンタリー作品づくりにのめり込んでゆくのだった。

物語は、ミーイズムな若者に心の隙を突かれ、振り回されてゆく哀れな中年夫婦を描いたヒューマンドラマ。

巨匠には到底及ばず、また子供を持つ同世代にも馴染めず、さりとて若者のような柔軟さは持ち合わせていない。
そんな、自らの立ち位置に悩む中年「大人になりきれない子供」の姿を赤裸々に綴る。
同世代である我々は身につまされる思いだ。

子供のいない中年夫婦という境遇に共感できるか否かで評価が大いに変わってくる、なかなかニッチな作品。

モラルはどうあれ面白ければいいというこの若者の思考は、プロセスよりも結果を重視する世知辛い風潮の表れだ。
それを受け入れられない自分もまた老人の域に入りつつあるのだろう。

ベン・スティラー
ナオミ・ワッツ
スター・ウォーズ フォースの覚醒」のアダム・ドライバー、
アマンダ・サイフリッド
チャールズ・グローディン、
アダム・ホロヴィッツ
「トゥルー・ストーリー」のマリア・ディッツィア、
マシュー・マー、
メランコリア」のブラディ・コーベット共演。

原題「WHILE WE'RE YOUNG」
2014年 制作。