おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

キング・オブ・エジプト

三月も末日となった。
ぽかぽかと穏やかな洗濯日和の一日。
休眠期はまるでフェイクグリーンのようであった行灯仕立てのヘデラも活動を始めたようで、鮮やかな緑の若葉がにょきにょきと出てきた。

映画「キング・オブ・エジプト」を観た。

ここは、人間に混じって神々が住んでいるはるか古のエジプト。
生命の神オシリスが王としてこの平和な国を治めている。

人間の身体に血が流れるように、圧倒的なパワーを持つ神の身体にはゴールドが流れており、超合金の獣に変身することができるのだという。

おお、さすがは神。スゴイね!

さて、このたびオシリスは、ひとり息子である天空の神ホルスに王座を譲ることにした。

チャライ遊び人だが、皆に好かれるいい奴だ。

こうして迎えた華々しい戴冠式の日。
祝福に訪れた神々や大勢の人々が見守る中で悲劇は起こった。

オシリスの弟である砂漠の神セトが現れ、クーデターを起こしたのだ。

不毛の地で長年孤独に耐え忍んできた彼は、ヒヨッコみたいな甥っ子が棚ぼたで王位につくのが我慢ならない。

兄王を殺害し、甥っ子ホルスの両目をくりぬいた彼は、チカラで王座を奪い取った。
それは恐怖による支配の始まりだった。

オシリス王のもとでは、富める者、貧しき者に関わりなく死者は死後の世界へ行くことが出来た。

ところがどっこい、セトの支配下では、死後の世界に行くのにカネが必要になったのだ。
おまけに人々は奴隷にされ、カネを稼ぐことも出来ない。

このままでは生きるも地獄、死ぬも地獄ではないか。

そこで、ホルスを崇める妻に促された若き盗っ人が立ち上がった。

チカラの源である両目を失い、失意と悲しみに身をやつしているホルスに眼を取り戻してやれば、なんとかしてくれんじゃね?

こうして盗っ人は、ホルスの眼が封印されているセトの宝物庫に忍び込むのだった。

物語は、セトに奪われしチカラを取り戻すべく放浪する、ホルスと盗っ人コンビの冒険を描いたファンタジックなアクションアドベンチャー

ざっくばらんながらも、ヒエログリフに描かれているエジプトの神々が続々と登場しては、その興味深いエピソードを披露してくれる。
CGを駆使した迫力の映像美で迫る一作。

特に、宇宙空間を漂う船で、夜ごと襲来する大いなる脅威アポピスから世界を守っているじじいの存在に胸が熱くなった。

兄よりも遥かに創造神たる素質を見込まれていたセトが、まるで人間のように地上の王冠ごときに目を奪われてしまうとは皮肉なものだ。
神々の世界でもまた、親の心子知らずのようである。

ただ、重いテーマを軽く描く趣向は悪くないが、人物描写が甘いせいか共感を得にくく、全体的に薄っぺらい印象を与えてしまう点が惜しい。
残念。

「ギヴァー 記憶を注ぐ者」のブレントン・スウェイツ、
コートニー・イートン
「真夜中のゆりかご」のニコライ・コスター・ワルドー、
完全なる報復」のジェラルド・バトラー
エロディ・ユン、
チャドウィック・ボーズマン
「PARKER/パーカー」のエマ・ブース、
ヘラクレス」のルーファス・シーウェル
鑑定士と顔のない依頼人」のジェフリー・ラッシュ共演。

原題「GODS OF EGYPT」
2016年 アメリカ、オーストラリア制作。