おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

クランプス 魔物の儀式

時間と共に日が陰ってきた。
穏やかな曇り空の一日。
根付きの青ねぎの束が店頭に並んでいたので、早速買い求め手ごろなプラスチック容器に植え付けた。
去年植えたねぎもいまだにすくすくと伸びてくるので、今後更なる量産が望めるかも。

映画「クランプス 魔物の儀式」を観た。

店員を蹴飛ばし、開店と同時に店内になだれ込む客の波。
転倒者多数。
ケガ人多数。
客同士の仁義無き奪い合いが繰り広げられる、そこはさながら戦場のようだ。
クリスマス商戦を迎えたショッピングセンターの模様を描いたシュールなオープニングロールから物語は幕を開ける。

ここに、プレゼントの山を抱え、そんな戦場から帰還したばかりの少年とその両親がいる。
毎年クリスマスは彼らにとって気が重い行事だ。

横暴でガサツな叔母一家が押しかけてくるためだ。
彼らのおかげで家の中はめちゃめちゃになってしまう。
どうしてクリスマスはそりの合わない親族と一緒に過ごさねばならないのだろう。

そういうしきたりだから?

ああ、嫌だ!

そんな少年を、ばあちゃんは優しく諭す。
サンタを信じることはクリスマスの優しさと犠牲の精神を信じることだよ。

そう、少年はまだサンタを信じているのだ。
今年も彼はサンタに宛てた手紙を書いていた。

ところがね、さっそく押しかけてきたいとこの悪ガキどもがこの手紙を取り上げ、皆の前で笑い者にするではないか。

ちきしょー!
クリスマスなんて!クリスマスなんて!クリスマスなんてッ!

呪いの言葉を吐く彼が、窓辺でボロボロになった手紙を引きちぎると、それは風に乗って空高く舞い上がってゆく。

彼の願いに答えたのはサンタではなかった。

ほどなく暗雲が空を覆いつくし、家々の明かりは消え、街は雪と氷に閉ざされてしまうのだった。

物語は、極寒の異界と化した街を舞台に、サンタのかわりにやってきた邪悪な精霊に襲われる惨劇のクリスマスをおとぎ話風に描いたダークファンタジー。

クリスマスの本質を忘れてしまった現代人に対する戒め的な作品。
大人はもちろん子供にも容赦がなく、おなじみのジンジャークッキーやプレゼントのおもちゃたちが不気味なダークエルフと共に襲い来る。

冒頭のシーンからも伺えるように、クリスマスが嫌いでしょうがない作り手の恨みつらみが伝わってくる。
子供に悪夢を植え付ける描写のおかげでレーティングはPG-12。
子供向けのようで子供向きではなく、さりとてドタバタした「グレムリン」のような一連の騒動は大人には物足りない。
ターゲットのよく分からない中途半端な一作。
残念。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました」のエムジェイ・アンソニー
ブラック・スキャンダル」のアダム・スコット
「幸せになるための5秒間」のトニ・コレット
クリスタ・シュタートラー、
ステファニア・ラヴィー・オーウェン
「ゾンビワールドへようこそ」のデヴィッド・ケックナー、
アリソン・トルマン、
コンチャータ・フェレル共演。

原題「KRAMPUS」
2015年 制作。
PG-12