おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ザ・ギフト

天気は回復したものの、空気は冷ややかなままだ。
カランコエの花を剪定し、萎れた花がら摘みつつ小瓶に生けておいたら白い蕾がたくさん出てきた。
それがほんのりレモンイエローの花を咲かせるではないか。
太陽の下では黄から朱に近いオレンジに変化する花びらの色も、光合成のできない暗い環境だと清楚な淡い色になるようだ。

映画「ザ・ギフト」を観た。

山沿いの傾斜地に立つガラス張りのモダンな邸宅に越してきた夫婦がいる。
このカリフォルニアは夫の故郷であるという。

さっそく家具店であれこれ品定めをする夫婦を、ショーウィンドウ越しにじっと見つめるひとりの男がいた。

知り合いだろうか?

やがて男は近づき、夫婦に話しかけてきた。
彼は夫の高校の同級生だという。
会うのは卒業以来だ。

さて翌朝、玄関にラッピングされたワインが置いてあった。
カードが添えられている。
あの同級生からではないか。

どうして住所が分かったんだろう。

それからというもの、夫のいない日中、彼はたびたびプレゼントを持参してはこの家を訪れるようになった。

何かと気遣ってくれるいい人じゃない。
そんな妻とは裏腹に、夫は迷惑そうだ。

それというのも、先方は一方的に友達だと思い込んでいるようだが、夫にとってはただのキモイ知り合いに過ぎない。
友達などではなかったというのだ。

仕事に恵まれず風采のあまり良くない同級生を、エリートたる自分たちには相応しくないと見下し嘲笑する夫もクズ野郎であるが、それが事実だとしたら不気味である。

果てさて、執拗にプレゼントを持参する彼の意図とは何だろう。

物語は、復讐をテーマに、時を経て再会した高校時代の同級生に付きまとわれる恐怖を描いたサイコスリラー。

高校時代、二人の間に一体何があったのだろう。
その話題を避けたがる夫を怪訝に思った妻は、二人の過去を探り始める。
やがて残酷な真実と共に、もうひとりのサイコパス像を浮かび上がらせるのだった。

心に傷を負うことのないいじめの加害者は、過去の悪行をいともあっさりと忘れてしまいがちだ。
しかし、本人が忘れても過去が忘れない。
過去からは逃げられないのだと物語はいう。

良心を持たない人間に、罪の意識を生じさせるにはどうしたらいいのだろう。
それは一生過去と向き合わざるをえない、被害者と全く同じ状況を与えてやることだ。
そんな考えに端を発した恐ろしげな復讐も、ストーリーの半ばで被害者と加害者の立場が入れ替わるせいか逆に溜飲が下がる。

それにしても、妻は連れ合いの何を見ていたのだろう。
男を見る目があまりに無さ過ぎだ。

「クレイジー・パーティ」のジェイソン・ベイトマン
トランセンデンス」のレベッカ・ホール
「ミッドナイト・スペシャル」のジョエル・エドガートン
「クランプス 魔物の儀式 」のアリソン・トルマン、
アダム・ラザール・ホワイト、
ティム・グリフィン、
「13時間 ベンガジの秘密の兵士」のデヴィッド・デンマン共演。

原題「THE GIFT」
2015年 アメリカ、オーストラリア、中国 制作。