おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ジェーン

曇り空の一日。
4月の季節外れの陽気に騙され、早く種蒔きしすぎたバジルからようやく本葉が出てきた。

映画「ジェーン」を観た。

時は1871年
ここはニューメキシコ準州の荒野に佇む一軒家。
ベッドの中で寄り添い、影絵をまじえた童話を語り聞かせる。
幼い娘がまどろむまでのひと時を共に過ごす、優しげな母の姿から物語は幕を開ける。

夜が明け、不安げな面持ちで家事をこなす彼女のもとに、ようやく夫が帰ってきた。
ところが馬から崩れ落ちるように倒れ込んでしまうではないか。

いくつもの銃創を負った瀕死の夫いわく、追っ手がやってくるという。

それを聞いた妻は、覚悟を決めたように馬を走らせ知人に娘を預けると、その足である男の家に向かった。

そこにいたのは無愛想な酔っ払いのオッサン。
実は彼女の元カレだという。

相手は賞金のかかったならず者集団だ。
軍隊でもない限り敵うわけがないと、応援を求めてやってきた彼女をけんもほろろに突っぱねる。

この夫婦、なんだかとんでもない連中に追われているようだ。
いったいどんな経緯があったのだろう。

とはいえ、家族を守るためなら、ならず者相手に独りでも戦いを挑みかねない気丈な女性だ。
やっぱり元カレとしては放っておけないよ。

そこでオッサン、不機嫌ながらも助太刀を買って出るのだった。

物語は、家族の再生をテーマに、ならず者を相手にした激しい攻防戦の中、南北戦争によって流転の人生を歩むことになった女性の過去に迫ってゆく西部劇。

まるで山椒大夫のよう。
力がものをいう荒くれ者社会における、男性の庇護を失った女性たちの悲惨な境遇が詳らかにされてゆく。
今も昔も、女性が独りで生きるということは、男性が独りで生きる以上にハードモードなのだ。

辛酸を舐めつつすべてを受け入れ耐え忍ぶ、諦めにも似た女性の強さを前面に押し出した、重暗く地味な一作。

もじゃもじゃのヒゲに埋もれてユアン・マクレガーがその人だとは分からなかった。

ナタリー・ポートマン
SUPER8/スーパーエイト」のノア・エメリッヒ
ザ・ギフト」のジョエル・エドガートン
「フォーカス」のロドリゴ・サントロ
ユアン・マクレガー
モーガン プロトタイプ L-9」のボイド・ホルブルック共演。

原題「JANE GOT A GUN」
2015年 制作。
PG-12