おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

グッドフェローズ

天気は下り坂。
朝の青空もすっかり雲に覆われてしまった。
どうやら不織布は紫外線に弱いようだ。
防虫ネットがわりにバジルの鉢にかけていた100均の不織布が、2ヶ月でティッシュのようにボロボロに裂けてしまった。
丈夫に思えた不織布がこんなに弱いとは知らなかった。

映画「グッドフェローズ」を観た。

時は70年代、ニューヨーク。
夜道を走る車に3人の男たちが乗っている。
おや?
後部トランクから異音がする。
人里離れた路肩に車を停めトランクを開けると、血まみれの男がうめいているではないか。

この野郎、まだ生きていやがったのか。

彼らは顔色ひとつ変えず、執拗にトドメを刺す。
そんな血生臭いシーンから物語は幕を開ける。

彼は、昔からギャングになりたかったのだという。
憧れたのはヒーローでも大統領でもなくギャングだった。

時を遡ること1955年。
彼が住むブルックリンの家の向かいには、イタリアンマフィアの事務所があった。

粋なスーツに身を包み、我が物顔で闊歩するギャングたち。
有名店でも顔パスで待ち行列に並ぶことも無い。
警察すら手中に収めている彼らは、この街でやりたい放題だった。

窓からその様子を伺う13歳の少年には、それがなんとも眩しく映ったものだ。
そのうち彼は、ボスの下で使い走りのアルバイトをやるようになった。

あくせく働いている親父よりもいい稼ぎになるのだから、もう辞められない。
こうして彼は学校にも行かず、ファミリーとしての一歩を踏み出してしまう。

そのうちボスからひとりの男を紹介される。
若くして伝説と謳われる切れ者アイルランド人だ。

彼ともうひとりの下っ端若造は、この伝説と手を組みノウハウを学びながら公私を共にするようになる。
いわゆるマブダチである。

足の付きやすい銀行強盗はもう流行らない時代。
彼らのシノギはもっぱら貨物の強奪。
これを売りさばけば結構なカネになるのだが、あくまでファミリーの傘の下でやってる仕事。
稼いだ分だけボスへの上納金を納めねばならず丸儲けというわけにはいかない。

彼らはさながらギャング界におけるブルーカラー
しかも、収監される恐れがあるばかりか命の危険すらも伴う、割に合わないブルーカラーであった。

物語は、憧れからギャングになった男の顛末を、ファミリーという特殊な非合法社会で生きる人々の様子をまじえて回想風に描いたクライムストーリー。

些細な失敗が彼らの命取りなる。
そして上手くいっている時は頼りになるマブダチも、いったん陰りが見え始めればあっさりと手のひらを返し、今日の敵となるのだ。
保身に走る彼らに仁義もクソもない。
そんな非情な世界をシニカルな視点で軽快に綴っている。

直接的な描写は避け、推して知るべしといった手法が用いられているためギャング映画に付きものの目を背けたくなるような残忍なシーンは無く、女性でも安心して観ていられるつくり。

司法取引以外に逃げる術の無かった彼を救った証人保護プログラム。
期限の切れた現在も命ながらえているのか気になるところだ。

「DEMON デーモン」のレイ・リオッタ
マイ・インターン」のロバート・デ・ニーロ
グッド・シェパード」のジョー・ペシ
クリストファー・セロン、
フランク・ディレオ、
「ロミオ&ジュリエット」のポール・ソルヴィノ、
フランク・シベロ、
フランク・ヴィンセント
ロレイン・ブラッコ、
キャサリン・スコセッシ、
デビ・メイザー共演。

原題「GOODFELLAS」
1990年 制作。