おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

キッズ・オールライト

雨がぱらつくどんよりとした梅雨空の一日。

映画「キッズ・オールライト」を観た。

悪友宅でドラッグに手を出し、すっかりハイになってじゃれあう少年たち。

おめえら、うるせえぞ!

おっと、ここで親父も参戦だ。
プロレス技を掛け合う悪友とその親父を、どこかうらやましげな眼差しで見つめる少年の姿から物語は幕を開ける。

少年には親父がいない。
そのかわりに外科医とガーデンデザイナーのママが二人いる。
15歳になる少年とその姉は、レズビアンカップルの家庭に生を受けた。

ママたちは精子バンクを通し同じ提供者から精子をもらい受けたので、少年とその姉は腹違いの姉弟にあたる。

家庭は円満であるが、親父という存在を知らない子供たちにはぼんやりとした憧れがあった。
子供が18歳になれば精子提供者を知る権利が生じる。

そこで少年、この秋、大学に進学する姉に頼み込み精子バンクに問い合わせてもらった。

提供者は有機農園とレストランを営む独身貴族のオッサンだという。
これがなかなか良いオッサンで、子供たちとの面会にも快く応じてくれたではないか。

子供たちはオッサンの生き方や趣味嗜好に興味津々。
生物学的父親であるオッサンに、自分との共通点を探しているのだ。

しかし、子供たちが勝手に精子提供者とコンタクトを取ったことを知ったママたちは穏やかじゃないよ。
だってオッサンは、パートナーとの間に父親面して割り込んできた侵入者も同然。
ママたちにはムカツク存在なのだ。

こうして父親に触れたいと望む子供たちのために、やむなく交流することになった一家とオッサン。
ところが思わぬ波乱が待ち受けているのだった。

物語は、子供たちの精子提供者との交流を通し、揺れるレズビアンカップルの家庭をコミカルに描くヒューマンドラマ。

オッサンは経歴や趣味嗜好からなるデータマッチングによって選ばれた精子提供者だ。
当然ママたちそれぞれとの相性も抜群。
そんな男の出現によって生じるパートナー間のひずみ、そして一見して仲睦まじい一家に潜んでいた問題を浮かび上がらせてゆく。

同性愛者、荒くれ者、異性をセックスの対象としか見なさない者、あるいはノンセクシュアルな者。
一家や子供たちの友人の姿を通して多様な性を垣間見る。

ママが二人いるってそれはそれで楽しいかもしれない。
逆にパパが二人いる家庭もしかりだ。
多様な性、そして家族のカタチがあっていいと思わせる新鮮な一作。

「フェイス・オブ・ラブ」のアネット・ベニング
アリスのままで」のジュリアン・ムーア
クリムゾン・ピーク」のミア・ワシコウスカ
「疑わしき戦い」のジョシュ・ハッチャーソン
フォックスキャッチャー」のマーク・ラファロ
「チャンス!」のヤヤ・ダコスタ、
エディ・ハッセル、
ゾーシャ・マメット、
クナル・シャーマ、
ホアキンガリード共演。

原題「THE KIDS ARE ALL RIGHT」
2010年 制作。
R-15+