おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

パッセンジャー

朝から雲ひとつ無い青空が広がる。
からりとした晴天の一日。

映画「パッセンジャー」を観た。

銀河宇宙をオートパイロットで航行する巨大な船がある。
艦内に人の気配はない。
クルー258名、乗客5000名はコールドスリープ状態にあるという。
地球を離れ、新天地となる遥か彼方の惑星を目指す200年あまりの長い旅路だ。

そんな船の前方に小隕石群が広がる。
シールド全開で突っ切って行くものの、防ぎようがないほどのドデカイやつがやってきた。

うーん、これはさすがにマズイ。

案の定、隕石は船にぶち当たり、急きょ自動修復が試みられる。

さて、このダメージの影響だろうか。
一瞬コールドスリープ装置の電圧が落ち、ひとりの男が目覚めてしまった。
彼は乗客のエンジニアだ。

到着の4ヶ月前に目覚める予定になっているはずだが、なんかおかしい。

あれ?
誰もいねえ。

ほどなく彼は知るのだ。
目覚めたのは自分だけであること。
惑星到着まではあと90年かかること。
そして、故障したコールドスリープ装置は修復が不可能なこと。

なんてこったい。
話し相手は、船のAIとバーテンダーのアンドロイドだけ。
これから先、暗い宇宙をゆく船の中でたったひとりの人生を過ごさねばならないなんて。

寂しい。
寂しすぎるよ、母ちゃん。

いっそ宇宙空間に身を投げ死のうかとも考えたが、死ねない。
そして、いよいよ孤独に耐えられなくなった彼に悪魔がささやく。

この眠れる美女を起こしてしまえばいいんじゃね?

それは、彼が恋したコールドスリープで眠るひとりの女性乗客だった。
彼女の人生を奪う結果になってしまうことが分かっていても、我欲には勝てない。

こうして彼は良心の呵責に苛まれながらも、とうとう彼女を自分のいる地獄に引きずり込んでしまうのだった。

物語は、人間の脆さと強さをテーマに、コールドスリープで眠る乗客を乗せた宇宙船内で繰り広げられる近未来SFスリラー。

アンドロイドが接客するバーが「シャイニング」を髣髴とさせ、なんでもないシーンなのにやたらと背筋がぞくぞくする。

危機的状況はロマンスを生みやすいというが、作り手は犯罪から始まる恋もあるとでも言いたいのだろうか。
女性の視点から見ると絶対に肯定などできない。
結果オーライなんて簡単な言葉では片付けられたくない、なんとも胸くそ悪い一作。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のクリス・プラット
ジュリー・セルダ、
「遥か群衆を離れて」のマイケル・シーン
「ジョイ」のジェニファー・ローレンス
「コロニー5」のローレンス・フィッシュバーン共演。

原題「PASSENGERS」
2016年 制作。