おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

イントゥ・ザ・ミッション

八月に入った。
我が上空にはなかなか雨を降らせてくれない、遠くにある入道雲がうらめしい。
引き続き厳しい暑さの一日。

映画「イントゥ・ザ・ミッション」を観た。

時は近未来。
放射性廃棄物による汚染と人口増加により荒廃の一途を辿る世界。
二極化はさらに進み、金持ちが実権を握る世界政府によって人々は支配されていた。
日々を生き抜くため黙々と働くので精一杯の人々には、もはやなすすべもない。
そんな見通しの暗い前置きから物語は幕を開ける。

ここに、レジスタンスに所属する軍人がいる。
ある任務を帯びていた彼は、政府軍によってヘリを撃墜され、廃墟と化した放射能汚染地帯に不時着してしまった。

汚染から身体を守る抗放射線薬はわずかな量しかない。
手早くサクッと任務を終えなくては。

彼の任務は、墜落した古い通信衛星のデータを消去すること。
世界中に潜伏するレジスタンスは、この古い衛星を使って密かに極秘情報をやりとりしていたのだという。
データの痕跡が政府に見つかってはマズイのだ。

さあ、こうして廃墟の都市を探索する彼は、暗闇の中を駆け抜ける女の影を見た。
その影に誘われるように足を踏み入れた廃墟で、思わず息を呑む。
おびただしい数の遺体が山のように積み上げられ、腐臭を放っているではないか。

政府が推し進める人口削減策の一環として大虐殺が行われたのだ。
彼をここに導いたのは大虐殺の生き残りだという、まるで阿修羅像のごとき赤銅色の肌をした少女だった。

この残酷な事実を白日の下に晒すにはどうすればいいだろう?

そこで彼は、全世界に向け、目撃した事実に位置情報を含めて救難要請を発信した。
もちろん大虐殺を行った張本人の耳にも届くことだろう。
仇討ちも出来て一石二鳥だ。

ほどなく釣られるようにやってきたのが、ならず者の傭兵を含む政府軍の小隊だった。

物語は、暗闇の廃墟を舞台に繰り広げるゲリラ戦を描いたサイコスリラー。

まるで魅力の無い主人公に加えて、登場人物の動機付けがはっきりとしないため全体的にダレ気味。
中盤をだいぶ過ぎた頃になってようやく緊張感にエンジンがかかる。

赤銅色の少女は複数の顔を持つ阿修羅をモチーフにしており、廃墟の落書きにもさりげなく和のテイストが盛り込まれている。
つくりは決して良いとは言えないが、アクションからサイコスリラーを経てオカルト風味を帯びてくる異色の一作。

ユージュアル・サスペクツ」のスティーヴン・ボールドウィン
トカレフ」のダニー・グローヴァー
ネヴァ・レオーニ、
「ザ・ライト エクソシストの真実」のルトガー・ハウアー
「ブルー・イグアナの夜」のダリル・ハンナ
ティモシー・マーティン、
ヘイトフル・エイト」のマイケル・マドセン
カイ・ポートマン共演。

原題「2047 SIGHTS OF DATH」
2014年 イタリア制作。
PG-12