おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ライフ

午後になりちらほらと雲が出てきた。
いくばくかでもこの熱線を遮ってくれるといいのだけれど。
野菜の価格が高騰し、売り場全体にときめきが足りない。
お盆シーズンの高値も加味されるかと思うと、この先憂鬱だ。

映画「ライフ」を観た。

星々が瞬く静寂の宇宙空間を、滑るように行く小さな船。
おや?
船は前方に漂う無数の岩石に突っ込んでいくよ。
次の瞬間、ものすごい衝撃が船を襲う。
そんなシーンから物語は幕を開ける。

ここはISS国際宇宙ステーション
クルーたちはあるミッションを控え緊張している。
題して火星ピルグリム7計画だ。

火星に送り込んだ無人探査船が土壌サンプルを持って8ヶ月ぶりに帰還する。
サンプルには何が紛れ込んでいるか分からず、このまま地球に持ち込むのは危険だ。
そこで、検疫官の管理のもと安全性が確認されるまでISS内のラボに隔離し、培養器の中でサンプルの調査に当たるのが彼らの使命だ。

ところが、突然のアクシデントが発生。
宇宙ゴミにぶち当たり探査船の軌道にズレが生じてしまった。
このままではISSに衝突するばかりか、地球に落ちる危険性すらある。
クルーたちは危険な船外作業でロボットアームを操作し、猛スピードで飛んでくるこれを辛うじてキャッチした。

ホッと胸をなでおろす一同。
しかも、サンプルからは冬眠状態にある生命体が発見されたではないか。
肉眼では見えないゾウリムシみたいなそいつは、原生代の地球環境を再現してやるとにわかに活性化し始めた。

人類が遭遇する初の地球外生命体とあって、クルーはもちろん地上も喜びに沸き、カルビンと名づけられた。

数ヶ月かけ手のひらサイズのクラゲ状にまで成長したカルビンは、賢く好奇心が旺盛で懐くような仕草がとてもかわいい。
しかも、すさまじい増殖能力は再生医療の可能性も秘めている。

こうして、クルーたちに我が子のように大切に育てられていた矢先の出来事じゃった。
担当クルーのミスにより培養器内の環境が悪化。
哀れカルビンは仮死状態に陥ってしまう。

急遽、蘇生のために与えられる電気ショック。
その瞬間、カルビンの生存本能にスイッチが入った。

それは生きるため、貪欲に食らい、攻撃する敵を駆逐することだった。

物語は、火星から持ち込まれたサンプルの防疫を担うISSクルーたちの顛末を描いたSFスリラー。

恐るべき増殖力と環境適応能力でクルーに襲い掛かるカルビン。
生きるという単純な思考のエイリアンと、複雑な感情をあわせ持つがゆえに致命的なミスを犯してしまう人間。
果たして生き残るのはどちらだろうか。
ISSという限られた閉鎖空間で繰り広げる、生きるか死ぬかの知恵比べだ。

クルーそれぞれのバックグラウンドに迫り、憧れや逃避、憎しみ、家族愛、自己犠牲といった人間ならではの感情に起因する心の隙によって惨事を招いてしまう描写がこの作品の見どころ。

わずかな寒暖差にすら弱い我々にとって好奇心は命取りになる。
自然に対する畏怖を忘れるなと物語はいう。

シンプルなヘアースタイルと衣装によってレベッカ・ファーガソンの整った目鼻立ちがいっそう際立ち、イングリット・バーグマンによく似て見えた。

ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホール
「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」のレベッカ・ファーガソン
デッドプール」のライアン・レイノルズ
アリヨン・バカレ、
オルガ・ディホヴィチナヤ、
Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」の真田広之 共演。

原題「LIFE」
2017年 制作。
PG-12