おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ダイバージェントFINAL

蝉がなりをひそめ、ツクツクボウシが鳴き始めた。
厳しい暑さはあいかわらずだが秋が近いようだ。

映画「ダイバージェントFINAL」を観た。

時は未来。
地球環境を破壊してしまった世界大戦を経て、人類は恒久的な平和を模索。
それから200年後。
廃墟と化したシカゴをぐるりと巨大なフェンスで囲み、人々はそれぞれ適性のある5つの派閥に属することにより秩序ある社会を構築していた。

テクノロジーの研究開発を行う「博学」
治安を守る軍隊的役割を担う「勇敢」
自然を愛し農業や畜産業に従事する「平和」
法の番人たる「高潔」
社会奉仕を喜びとする「無欲」
これら5つの派閥からなる評議会制の社会システムだ。

そんな社会に、突然変異としてヒロインのように複数の適性を持った若者たちがぽつぽつと現れ始めた。
異端者と呼ばれる彼らは、この派閥システムを揺るがせる脅威であり、同時に派閥システム以前の遺物をひも解く鍵でもあった。

そこで独裁者としての顔を持つ「博学」の指導者女史はクーデターを画策し、異端者を捕らえ遺物を解読する人体実験を強行。

その結果、ヒロインによって遺物はひも解かれ、この世界の真実と、壮大な実験の終了を知らせる外の世界からのメッセージがシカゴの街に響き渡った。

ここシカゴの街は、欠陥を無くすための遺伝子操作により人間性を失ってしまった人類が、長い時をかけて遺伝子を純粋な状態に戻すための巨大な実験場だったのだという。
ここは人類最後の砦ではなかった。
なんと、フェンスの向こうにさらなる大きな社会が存在しているというではないか。

こうして独裁を敷く指導者女史の野望は潰え、人々は希望を胸に、ヒロインたちとフェンスの外を目指して歩き始める。
・・・と、ここまでが前作までのお話だ。

ところが、そうは問屋が卸さない。
外の世界からのメッセージを鵜呑みにできない大人たちが、彼らの行く手を阻む。

しかも、今度はクーデターに加担した人々の粛清が始まってしまったではないか。
派閥が無くなったシカゴの街は、この粛清派と反対派の真っ二つに割れてゆく。
ああ、独裁者の首がすげ替えられただけで、社会の本質は何も変わってはいなかったのだ。

それでも外の世界を見てみたい。

ヒロインはわずかな仲間と手を取り合い、シカゴ脱出を強行するのだった。

さあ、彼らを待ちうける外の世界とはいかに。

物語は、「ダイバージェント」シリーズ第三弾。
遺伝子の浄化を目的とする街で被験者として育ったヒロインの戦いを描くティーン向け近未来SFアクション。

故郷シカゴでは異端者として排除されてきたヒロインが、外の社会では純粋な遺伝子の持ち主として重用される矛盾。
このように価値観は取り巻く社会が変わればいとも簡単に変化する。
人の特性で優劣を決めることなど実は愚かなことなのだ。
それでも人は優劣を決め分類したがる。
多様性を認め合うことは容易ではないと物語はいう。

ティーン向けなので残酷な描写は無く、殺傷シーンも血を見ないよう配慮がなされている。
無理がある設定と理解不能なヒロインの思考もあいまって大人には何かと物足りないシリーズであるが、惰性でクライマックスまで付き合ってしまった。
恒常化された社会のシステムに疑問を抱くという観点から振り返ってみれば、若者にはまずまずの作品なのかも。

「スノーデン」のシェイリーン・ウッドリー
アンダーワールド ブラッド・ウォーズ」のテオ・ジェームズ、
「ウォー・ドッグス」のマイルズ・テラー
ゾーイ・クラヴィッツ
「プリースト」のマギー・Q
「ダイアナ」のナオミ・ワッツ
「スノーピアサー」のオクタヴィア・スペンサー
ジョニー・ウェストン、
「オデッセイ」のジェフ・ダニエルズ
ビル・スカルスガルド共演。

原題「ALLEGIANT」
2016年 制作。