おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ブリングリング

引き続き穏やかな晴天の一日。
金木犀が咲き始めたようだ。
昨日あたりから秋の深まりを感じる甘い香りが漂いはじめた。

映画「ブリングリング」を観た。

一連の行為を彼らはショッピングと称していた。

夜の闇に紛れて豪邸に忍び込み、貴金属や高級ブランドアイテムを盗み出してゆく若者グループを捉えた監視カメラ映像から物語は幕を開ける。

ここはカリフォルニア州カラパサスの高校。
編入初日を迎えた青年がいる。
以前通っていた学校が合わず、出席不足から退学になってしまったというちょいと冴えないワケアリの彼。

さっそく新しい学校の連中から容赦ない洗礼を受ける。
さすがは三流校。
他人に向かってダサイだのキモイだの躾のなっていないクズばかりだ。

よう、新入り!

そんな彼に、気さくに話しかけてきた小悪魔ちっくな女子がいた。
オシャレなパリピで、彼女もワケアリ編入組とあって意気投合。
共にクラブで遊んだりSNSの写真を撮ったり、一緒にいるとなんとなく楽しい気分にさせてくれる彼女。
まるで姉妹のような、彼にとって生まれてはじめての親友だった。

ただね、彼女ちょいと手癖が悪い。
彼と同じくそこそこ裕福な家庭なのに平気で車上荒しをしたり、旅行中の知人宅に忍び込み盗みを働くではないか。

ねえ、これって犯罪だよね?
マズイよ。

躊躇する彼であったが、ゲーム感覚で盗みを働きそのカネで豪遊する彼女のペースに引き込まれ、いつしか罪悪感も麻痺してゆく。

おりしも、テレビや雑誌ではハリウッドスターやセレブの華やかなライフスタイルがこれでもかと喧伝されており、その身につけるハイブランドのファッションは彼らティーンエイジャーの羨望の的だった。
そして、ネットを使えばその自宅はおろかスケジュールすら分かってしまう時代。

そこで二人はファッションアイコンのひとりパリス・ヒルトンに狙いを定める。

きっと鍵は玄関マットの下よ。

おやおや、彼女のいうとおりではないか。
こうして二人はいとも簡単にパリス・ヒルトンの留守宅に侵入してしまうのだった。

物語は、雑誌ヴァニティ・フェア掲載記事「容疑者たちはルブタンを履いていた」をもとに、スターやセレブの屋敷に次々と忍び込み、総額300万ドルもの盗みを働いたティーンエイジャーグループの人物像に迫る。

同じものを身に付け、世界に注目されるセレブになった感覚を味わいたい。
そんな犯罪という自覚のまるでない若者たちの思考と、良くも悪くも注目されることで自己肯定感を満たす新しい世代の価値観に触れる。

人の物欲は尽きることがないというが、窃盗に遭っても気づかないほどの膨大なアイテムに囲まれたセレブの暮らしぶりは、素敵というよりは満たされなさをモノで埋めているように映った。
常に時の人であらねばならない彼らは、庶民が思うほど幸せではないのかもしれない。

ケイティ・チャン、
イズラエル・ブルサール、
クレア・ジュリアン、
「ウォールフラワー」のエマ・ワトソン
「ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ」のタイッサ・ファーミガ、
ジョージア・ロック、
カルロス・ミランダ、
ギャヴィン・ロスデイル、
「お!バカんす家族」のレスリー・マン
アニー・フィッツジェラルド共演。

原題「THE BLING RING」
2013年 アメリカ、フランス、イギリス、日本、ドイツ制作。
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