おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

アトラクション 制圧

時折雨がぱらつくどんよりとした曇り空の一日。
空模様を伺っていたのか、いつもは早朝からやって来るミツバチも少し遅れ気味で出勤のようだ。

映画「アトラクション 制圧」を観た。

星々の瞬きを反射しながら宇宙空間をゆく不気味な異形の物体。
おや?
前方に青い惑星が見えてきた。
そんな映像から物語は幕を開ける。

ここはモスクワ 北チェルタノヴォの高校。
今夜50年ぶりに訪れる隕石雨について講義が行われている。
時に大惨事を引き起こすこの隕石雨。
実態が解明されたのはつい最近のことで、先人たちは神の怒りと考えていたらしい。

ヒロインは、いま付き合っているちょいワルな年上のカレシに夢中で授業などまるで上の空。
今夜も親友と一緒に隕石雨を見るはずだったのに、連れ込んだカレシと部屋でイチャイチャし始めた。
だいたい年長のくせに自分ありきでカノジョの親や友達への配慮がまるでないカレシもカレシである。
既にこの時点で「付き合ってはいけない男」のフラグが立っている。

さて、隕石雨とともに上空に現れた冒頭の巨大な物体を、バレンツ海に展開するロシア軍の空母が捉えた。
直ちに迎撃命令が下されミサイルが撃ち込まれる。
なんてことだろう。
物体はものすごい衝撃波で街を破壊しながら、屋上でひとり隕石雨を眺める親友目掛けて墜落してゆく。
街はまるで空爆を受けたかのような瓦礫と化してしまった。

墜落した物体から出てきたのは、人類より遥かに高度なテクノロジーを持つ異形のエイリアン。
恐る恐るファーストコンタクトを試みたロシア政府は、船の修理が出来しだい出てゆく、という彼らのメッセージを受け取った。

真意は不明だが、そのメッセージを信じるよりほか仕方がない。
こうして街は墜落した船の周囲数キロにわたって軍の監視下による包囲網が築かれ、立ち入り禁止区域となった。

しかし、墜落によっておびただしい犠牲者を出した住民は納得できない。
政府は国民を守らずに何を守っているのか。

親友を喪ったヒロインも激おこぷんぷん丸だ。
そこで彼女はカレシとその一味を焚き付けエイリアンに報復を試みようと、無謀にも立ち入り禁止区域に足を踏み入れるのだった。

彼らは何をしに地球へやってきたのだろう。
侵略?
それとも・・・。
物語は、隕石雨とともに降ってきた地球外生命体との遭遇に戸惑う人類を描いたハイティーン向けSFアクション。

長年母の死を受け入れることができず、死から逃げるように手近な誘惑に身を委ねていたはねっ返り娘のヒロインが、全てのものは永遠でないからこそ愛おしいのだという生死観に目覚めてゆく様子が描かれる。

ただ、残念なことに愛を知る人類は残忍な性質も持ち合わせている。
日常から不満を抱えた人物が騒ぎに乗じて暴れる、そんな人間の劣等感をありありと見せ付けている点が強烈だ。
特に、デモが暴動に発展する瞬間を捉えたシーンは本作品の見どころだったのではないかとすら思う。

直情的でややもすれば自己中心的なヒロインが共感を得にくく、ストーリーに入り込めない点が残念。

イリーナ・スタルシェンバウム、
太陽に灼かれて」のオレグ・メンシコフ、
リュドミラ・マクサーコワ、
ダリヤ・ルデノク、
エフゲニー・ミケエフ、
アレクサンドル・ペトロフ
ニキータ・ククシキン、
エフゲニー・サンガジヒエフ、
リナル・ムハメトフ共演。

原題「PRITYAZHENIE」
2017年 ロシア制作。