おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ファインド・アウト

日差し暖かな一日。
エコーの効いた曲がぐわんぐわんと流れる賑やかな運動会も終わり、今週は静かな一週間だった。
そういえば「天国と地獄」のようなお馴染みの曲は一切流れず、安室奈美恵ちゃんのヒーローや、その他よく分からない流行歌が延々と流れていることに気づいた。
運動会の雰囲気もずいぶん様変わりしたようだ。

映画「ファインド・アウト」を観た。

森の散策道を地図を片手に若い娘が行く。
ここはオレゴン州ポートランド近郊の森林公園。

地図をエリアごとに分けマーカーで丹念に塗りつぶしてゆくゆく彼女。
自然を楽しんでいるというよりは、まるで何かを探しているかのよう。
そんなシーンから物語は幕を開ける。

彼女はポートランドで大学生の妹と暮らしている。
深夜のダイナーでウエイトレスとして働く傍ら、教室に通い格闘術を学ぶ。
玄関ドアは多重ロック。
常に何かを警戒し、ピリピリした様子だ。

それにはワケがあった。
ちょうど一年ほど前になるだろうか。
彼女は就寝中に家に押し入った男によって連れ去られ、深い森の穴に監禁されるという恐ろしい体験をしていた。
泥だらけで凍死寸前のところを運良く保護されたのだという。

その証言を元に森林公園の大捜索が行われたが、穴はもちろんのこと、犯人が家に侵入した形跡も、また彼女が犯人と接触した形跡も見つからなかった。
両親を亡くしたばかりで精神的に不安定だったことを理由に、事件は彼女の妄想であると結論付けられてしまう。

そんなわけない!
あの恐怖は紛れもない真実なのに!

犯人は逃げた自分を必ず追いかけてくると彼女は確信していたが、いくら訴えたところで警察は相手にしない。
そこで顔の見えない男の影に怯えているだけではなく、来るべき日に備えて格闘術を身に付け、休日のたびに証拠を求めて犯行現場となった森林公園を探索しているというわけだ。

攻めの姿勢で恐怖に打ち勝とうとしている。
なんて芯の強い女性だろう。

そんなある日のこと、妹が忽然と姿を消した。

きっと自分の代わりに犯人が連れ去ったに違いない。
しかし警察は、はなから彼女の妄想と決めてかかり調書すら取ろうとしない。
時間の経過とともに妹の生存率は下がってゆくというのに、誰も助けてはくれないのだ。

そこで意を決した彼女は、自ら捜査に乗り出すのだった。

物語は、連れ去られた妹を探し、孤高の捜査に挑む若きヒロインを描いたサスペンススリラー。

警察が言うように全ては彼女の妄想に過ぎないのか。
それとも・・・。

捜索をしないばかりか、あまつさえヒロインの妨害にまで及ぶ警察の不手際に終始イラつきつつ、彼女の無茶な単独捜査を見守る。

犯人の顔が分からないため周囲の男たちが全て怪しく思えてしまう。
そんな彼女と同じ感覚を観客も味わう。
ヒロインの精神病歴が明かされたり、いかにもあやしげな人物を登場させたりと、ストーリーはあの手この手の揺さぶりをかけてくるが、彼女の切実な姿に打たれ妄想ではないという確信は最後までブレることはなかった。

「クーパー家の晩餐会」のアマンダ・サイフリッド
エミリー・ウィッカーシャム、
エミリー・ローズ」のジェニファー・カーペンター
「幸せをつかむ歌」のセバスチャン・スタン
プラダを着た悪魔」のダニエル・サンジャタ、
キャサリン・メーニッヒ、
インターステラー」のウェス・ベントリー
「ザ・ゲスト」のジョエル・デヴィッド・ムーア共演。

原題「GONE」
2012年 制作。