おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ラ・ラ・ランド

朝からすっきりとした青空が広がる。
穏やかな秋晴れの一日。

映画「ラ・ラ・ランド」を観た。

ここロサンゼルスの道路では朝の大渋滞が起こっている。
それぞれ車内で音楽に身を委ねる人々。

おや?
ひとりの女性が、映画女優に憧れ田舎を飛び出した在りし日の思い出を朗々と歌いはじめたよ。

彼女が車外に躍り出ると、人々も誘われるように続々とそれに続き歌い踊り、パフォーマンスを繰り広げる。
ああ、みんなそれぞれに夢を追い求め都会に出てきたのね。
そんな、渋滞のハイウェイ上で繰り広げられる圧巻のオープニングから物語は幕を開ける。

さて、この渋滞を抜け職場へ向かう若い女がいる。
ワーナースタジオのカフェで働く彼女もまた、女優を目指し田舎から出てきたクチだ。
仕事の合間を縫ってはオーディションを受けまくっているが、コネもない彼女には狭き門だった。

帰宅した彼女は、同じく女優を目指すルームメイトの女の子たちにパーティへ誘われる。
自分を成功へと導いてくれる人との出会いがあるかもしれない。
業界人や金持ちが集まるパーティもオーディションのひとつなのよと彼女たちはいう。

こうして皆とパーティに繰り出した彼女であるが、どうしてもその場に馴染めなかった。
自分の居場所はここじゃない、そんな気がした。

ひと足先に帰途に着いた彼女は、ふとタパス店から漏れ出るピアノの音に引き寄せられる。
店内には、飯を食う場にそぐわない超絶技巧のジャズを奏でているピアニストがいた。

おや、あのしとは・・・。

それは朝の渋滞で、後ろからやたらとクラクションを鳴らしまくった嫌な男だった。

それでもピアノの腕は素晴らしい。
演奏が終わると、彼女は賞賛を伝えるべく歩み寄った。

ところが、彼はガン無視のままその場を後にするではないか。
とことんいけ好かねえ野郎だな。

以来彼女は、どういうわけだかパーティのたびにこのいけ好かねえ野郎に遭遇する。

こうして最悪な出会いからスタートした二人であったが、それぞれに夢を追いかける者同士。
ほどなく打ち解け、互いに熱く夢を語り合う仲になるのだった。

物語は、ハリウッドで夢を追う恋人たちの顛末を春夏秋冬になぞらえて描いたミュージカル。

人生は後戻りできない。
逆境にある時も、また成功を勝ち取った時も、自分の居場所を見失わないでと物語は切なく締めくくる。

ジャズの調べに乗せた美しい映像と、絵画の世界に飛び込んだようなロマンティックな演出が見どころ。
歌やダンスの割合が少なく、ミュージカルが苦手でもさほど違和感を覚えることはなさそう。
ただ、ストーリーはベタな展開で目新しさに乏しい。
特に二人が恋に落ちる前半部分は、歌やダンスがなければ間が持たないほど退屈。
成功と夢の狭間で苦しみ始める中盤以降になってようやくストーリーにエンジンがかかってくる印象。

「教授のおかしな妄想殺人」のエマ・ストーン
「ドライヴ」のライアン・ゴズリング
ザ・コンサルタント」のJ・K・シモンズ
「ブレア・ウィッチ」のキャリー・ヘルナンデス
エクス・マキナ」のソノヤ・ミズノ
ジェシカ・ロース、
「プロミスト・ランド」のローズマリー・デウィット、
フィン・ウィットロック、
ジョン・レジェンド共演。

原題「LA LA LAND」
2016年 制作。