おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

あなたを見送る7日間

日差し暖かな晴天の一日。
頂き物のシャーレーポピーの種を蒔いた。
この鼻息で簡単に飛びそうな小さな小さな種から、本当にあの可愛らしい花が咲くのだろうか。
来年の春が待ち遠しい。

映画「あなたを見送る7日間」を観た。

ここはニューヨークの雑踏。
足取り軽やかに歩く彼はラジオ局のスタッフだ。
部下に慕われ、趣味と実益を兼ねた仕事も上々。
お洒落な都会暮らしに美人な妻。
人々がうらやむような完璧な人生を送っている。

さて、今日は妻の誕生日。
バースデーケーキ片手に早めの帰宅をした彼は、寝室で驚くべき光景を目撃してしまう。
同僚の売れっ子DJと妻が不倫の真っ最中ではないか。
シンジラレナイ。
二人の関係は1年も前から続いているという。
足元が音を立てて崩れてゆくような感覚を覚えた。

不幸は続くもので、仕事を辞め、ひとり人生のどん底を味わっていた彼のもとに故郷から父の訃報が届いた。
母いわくユダヤ人だった父の遺言で、家族が7日間喪に服すシヴァを執り行うという。

こうして兄と妹、そして弟の4人兄弟がそれぞれに家族を連れて実家に集うことになった。
シヴァは7日間家に籠もり、入れ替わり立ち替わりお悔やみに訪れる知人を家族がもてなすしきたりなのだという。
家族や知人に囲まれ、落ち込んでる暇などない騒がしい毎日が始まる。
妻を同伴していない彼はやたら質問攻めに合うが、正直その理由を話す気分にはなれなかった。

ところが、問題を抱えているのはどうやら彼だけではないようだ。
なかなか子宝に恵まれずにいる兄夫婦。
ワーカホリックで家庭を顧みることのない夫に不満を募らせる妹。
定職に付かずいつまでもヒモのような生活を送る弟。
一見して幸せそうなこの兄弟たちもまた、それぞれに深刻な悩みを抱えており、日を追うごとにそれが露呈してゆくのだった。

物語は、父の喪に服すべく実家に集った家族の7日間をコミカルに描いたヒューマンドラマ。

完璧な人生というものはありえない。
予測不能で不合理かつ複雑なのが人生だ。

再会した幼馴染とイイ仲になったところへ、不倫をしていた妻から突然の妊娠報告。
通常なら二者択一を迫られるところであるが、彼は子供を認知し妻のもとへ戻りつつ幼馴染とも将来を約束する。
主人公の辿り着いたこの複雑な愛のカタチを見せつけ、複雑さを困難と捉えるのではなく肯定し受け入れることによって人生はより豊かになると物語はいう。

人生は楽しんだもの勝ちらしい。
にわかに受け入れがたい我々は、古い倫理観や固定観念に囚われすぎているのだろうか。

ただ、冒頭からエロネタをふんだんに取り入れたドタバタ劇は会話に抑揚がないため終始退屈。
新たな価値観に目覚めるというテーマは面白いが、コメディとしては落第点。
残念。

「クレイジー・パーティー」のジェイソン・ベイトマン
「THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション」のアビゲイル・スペンサー、
ダックス・シェパード、
グランド・フィナーレ」のジェーン・フォンダ
「ダーク・プレイス」のコリー・ストール、
「ヴィジット」のキャスリン・ハーン、
アメリカン・レポーター」のティナ・フェイ
「沈黙 サイレンス」のアダム・ドライバー
インシディアス」のローズ・バーン
エージェント・ウルトラ」のコニー・ブリットン、
パーフェクト・ゲッタウェイ」のティモシー・オリファント
ザ・ウォーク」のベン・シュワルツ共演。

原題「THIS IS WHERE I LEAVE YOU」
2014年 制作。