おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

不屈の男 アンブロークン

風もすっかり冷たくなった。
そろそろ手袋が欲しくなる晴天の一日。

映画「不屈の男 アンブロークン」を観た。

赤く燃える朝日を背に受けて編隊を組んだ米国軍機がゆく。
目標の島上空の高度8千フィート。
対空砲と零戦を避けながら敵基地めがけてミサイルを投下する。
そんなシーンから物語は幕を開ける。

爆撃機零戦の猛攻を受けボロボロだ。
しかし、命からがら基地に帰還した彼らに再び出撃命令が下される。
海上に墜落したB-24の救出に向かうという。
ところが、突貫修理が裏目に出て彼らの機体もまた海上に墜落してしまう。

皆、海の藻屑と消えてしまい、救命ボートにはい上がれたのはパイロットと砲撃手あわせて3名だけ。
さあ、ここから地獄の漂流生活が始まる。

太平洋のど真ん中、一体誰が助けに来てくれるというのか。
そう悲観的になる仲間を砲撃手は励まし続ける。
彼は、ベルリンオリンピックに出場した陸上選手。
イタリア移民の子で、半ばグレかけた少年時代を過ごしていた彼は、兄貴の強い勧めで陸上を始めた。
そこからめきめきと記録を伸ばし、ついにはオリンピック選手にまで登りつめたのだ。
兄貴から決して諦めない鋼の精神を学んだ彼は、神に祈り続ける。

こうしてひと月以上漂流した頃だろうか。
生死の境にあった彼らに救いの手を差し伸べたのは、神ではなかった。

ああ、なんてことだろう。
敵国の軍艦に拾われた彼らは、捕虜として東京の収容所へ送り込まれてしまう。

幻となってしまった東京オリンピック
選手として来るはずだったのに、こんなカタチで東京の地を踏むとは。
運命とは実に皮肉なものだった。

物語は、第二次世界大戦下、漂流ののち日本軍の捕虜となった米国兵の試練を描く戦争映画。

日本の捕虜収容所の状況を窺い知る一作。
繊細かつ美しい描写で記録映画としては悪くないが、回想シーンがやたら感傷的で鼻に付くのが難点。
感動話に仕立てようとする作り手のあざとさが透けて見えてなんとなく嫌だ。

パワハラに関するニュースが後を絶たないように、病的なほど屈折した人間はどこの組織にも存在する。
まして国を背負って人と人とが憎み合った不幸な時代だ。
捕虜の虐待は日常茶飯事だっただろう。
この作品の描写が特に誇張された表現だとは思わない。

戦犯として歴史に名を刻まれた渡邊睦裕。
本人はともかく親族はいたたまれないだろう。
これがもし自分のじいさんだったらと思うと辛い。

マネーモンスター」のジャック・オコンネル、
エクス・マキナ」のドーナル・グリーソン、
「マン・ダウン 戦士の約束」のジェイ・コートニー
ラ・ラ・ランド」のフィン・ウィットロック、
MIYAVI、
「トロン レガシー」のギャレット・ヘドランド
タイタンの戦い」のルーク・トレッダウェイ、
「ザ・ブリザード」のジョン・マガロ共演。

原題「UNBROKEN」
2014年 制作。
PG-12