おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

セント・エルモス・ファイアー

どんより曇り空の一日。
慌しい年末だというのに、このところ通院が立て続けだ。
日頃の不摂生を反省し、もう少し丁寧に生きろという天啓なのかもしれない。

映画「セント・エルモス・ファイアー」を観た。

角帽とマントを羽織り、肩を抱き合いながら大学のキャンパスを闊歩する。
卒業を迎えた仲良し男女7人グループのワンシーンから物語は幕を開ける。

それから4ヶ月。
大学時代はスターだった仲間のひとりが交通事故を起こしたという。
知らせを受けた彼らは、仲間の一大事に仕事を投げ出して病院に駆けつけた。
幸い怪我は大したことないものの、飲酒運転の末の事故だというではないか。

ああ、なんてことだ。
酒びたりの彼にかつてのスターの輝きはなく、妻子がいるのに仕事もせずふらふらしているどうしようもない奴に成り下がっていた。

病院を後にした彼らは、学生時代よく入り浸っていたバーに集う。
あの頃は何もかもが楽しかったな。
こうして皆でわいわい騒いでいると輝かしい学生時代の思い出が蘇るよ。

政治家の秘書
アートデザイナー
新聞記者
銀行員
法曹界を目指すウェイター
福祉施設職員

無職のお騒がせ野郎以外は、それぞれに仕事や目標を持ち、社会人として着実なスタートを切っているかに見える。
しかし彼らは、仲間内にもそう打ち明けられない悩みや問題を抱えていたのだった。

物語は、社会に出て間もない若者たちによる愛と友情の青春ドラマ。
理想と現実との間に立ちはだかる壁によって、進路を見失いつつある彼らの迷いを描いてゆく。

ひとりは皆のために、皆はひとりのためにと言わんばかりに、仲間のために努力を惜しまない彼ら。
友情っていいよね、仲間って素晴らしいよねと物語はしきりに畳み掛けてくる。

でもね、結局彼らは仲間に依存しているだけなのだ。
慰めあう仲間という逃げ場がある限り、いつまでたっても自立できない。
結束力が強い友情は必ずしも良い結果をもたらすわけではないようで、その弊害を見せ付けられているような気がする。

学生時代に篤い友情を築いた者にとっては共感でき、当時をしみじみと思い出す作品になる。
一方で、友情に縁遠かった者にとっては甘ったれの茶番劇にしか見えない。
観る人を選ぶ一作。

若きデミ・ムーアは、はるな愛ちゃんにどこか似ている。

サンキュー・スモーキング」のロブ・ロウ
ジャド・ネルソン
アンドリュー・マッカーシー
「ヤング・ガン」のエミリオ・エステベス
アリー・シーディ
マージン・コール」のデミ・ムーア
白雪姫と鏡の女王」のメア・ウィニンガム
アンディ・マクダウェル共演。

原題「ST. ELMO'S FIRE」
1985年 制作。