おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たち

冷たい風吹く晴天の一日。

映画「ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たち」を観た。

国民の半数を死に至らしめた黒死病が猛威を振るう、時は1348年。
修道院があるここステーヴリーも、運び出すのが間に合わないほどの遺体が道端に横たわり、町全体が耐え難い死臭に包まれている。
パンデミック現代社会においても脅威だ。
そんなゾッとするシーンから物語は幕を開ける。

ついには修道院の内部にも感染者が出始めた。
神父たちは罪を洗い流す神の粛清だというが、我々が一体どんな罪を犯したというのだろう。
ここに、悶々と思い悩む若き青年修道士がいる。

あってはならぬことだが、彼には町に恋人がいた。
このまま町に居ては死を待つばかり。
そこで恋人の身を案じる彼は、密かに故郷の森へと彼女を避難させることにした。

きっと後から来てね。
涙ながらに訴える恋人を見送ったものの、彼は神を裏切ることができず修道院を去る踏ん切りがつかない。

さて、ちょうどそんな頃、司教の特命使節だという騎士たちが修道院にやってきた。
疫病がまったく出ていない村の噂を聞きつけてきたという。
大湿原にあるという村に一体どんな秘密があるというのか。
その調査に向かう一行は、神に仕える案内人が欲しいというのだ。

大湿原は故郷の森にほど近い。
土地勘のある彼は進んで手を挙げた。
迷える自分に神が道を示してくださっているのかも。
それに、死臭漂う町を出て恋人のもとへゆく体のいい口実にもなる。

さあ、こうして特命使節と共に旅立った青年修道士。
ところが町を出てほどなく、使節のリーダーがとんでもないことを口にするではないか。
例の村は、神を捨て恐ろしい悪魔を崇めている黒魔術師の村だという。
彼らの真の目的は、疫病を防ぐための調査にあらず。
なんと、村で行われている悪魔の所業を裁くために向かう地獄への旅だった。

どうしよう。
知らなかったとはいえ、そんな恐ろしい村にほど近い森へ恋人を行かせてしまったよ。
ああ、彼女は無事だろうか。

果てさて、悪魔の力と戦う一行の行方はいかに。

物語は、戦争とペストの流行、異端狩りが吹き荒れる14世紀 英国を舞台に、特命を受け黒魔術師狩りに繰り出した一行の顛末を描いたアクションアドベンチャー

常識を疑え。
邦題タイトルも含めて、鵜呑みにするなと物語はいう。

神も悪魔も、そして魔女も奇跡も。
信仰と呼ばれるこれら全てが、人によって造り出された妄想に過ぎなかったのでは。
そんな大胆な仮説をもとに、罪深き人の所業を浮かび上がらせてゆく。
暗黒の中世ヨーロッパに触れる一作。

なぜ彼らは、怪しい村で供されたものを何の疑いもなく飲み食いしてしまうのだろう。
死地へ向かうにはあまりに脇が甘すぎるではないか。
そういったシナリオの粗さをキャストの巧みな演技力が見事にカバーしている。

リリーのすべて」のエディ・レッドメイン
キンバリー・ニクソン
ゲーム・オブ・スローンズ」のショーン・ビーンカリス・ファン・ハウテン、イーモン・エリオット
スライディング・ドア」のジョン・リンチ
アンディ・ナイマン
ジョニー・ハリス
ティゴ・ヘルナンド
ジェイミー・バラード
ティム・マキナニー共演。

原題「BLACK DEATH」
2010年 イギリス、ドイツ制作。