おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

新感染 ファイナル・エクスプレス

冷え込み厳しい、やや曇りがちな一日。
先月あたりからぽつぽつと咲き始めたカランコエが満開を迎えた。
今年は肥料をほとんとやらなかったがそれでも花の付き具合に変わりはなく、アブラムシの被害も受けていない。
カランコエは肥料をあまり必要としないのかも。
与えるとかえって株が弱くなるのかな。

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」を観た。

「防疫中」と標識が掲げられた高速道のゲート。
停車した一台のトラックが消毒薬を噴射されている。
また豚の口蹄疫かい?
近くのバイオ工業団地から何かが漏れたらしいが、畜産に関わるこのドライバーにとっちゃどのみち迷惑な話だ。

ぼやきつつトラックを走らせるドライバー。
そのうちトラックに強い衝撃が走った。
飛び出してきた野生のシカを轢いてしまったようで、アスファルトには血にまみれた無残な死体が転がっている。
ああ、びっくりしたなやー。

トラックが走り去った後、その血まみれのシカがむくっと立ち上がった。
なにやら胸騒ぎを覚える不気味なシーンから物語は幕を開ける。

さて、ここソウルの投資会社にファンドマネージャーの男がいる。
このところ仕事に忙殺され家庭を顧みる暇がない。
そんなわけで目下、妻とは別居中。
一緒に暮らす小学生の娘はしきりに母親に会いたがっているようだ。
今日は娘の誕生日。
日ごろから寂しい思いをさせている後ろめたさもある。
そこで彼は、しぶしぶ妻が住むプサンまで娘を連れ行ってやることにした。

こうして、夜明け前のプサン行き韓国高速鉄道に乗り込んだ父娘。
おや?
発車直前、閉まるドアをすり抜けて怪我を負った女が転がり込んできたぞ。

駅の構内で何か騒ぎが起こっているようだ。
このところ各地で起こっているという暴力デモだろうか。

あれっ?
人が人に・・・喰らいついてる。

その様子を、走り出した車内から怪訝そうな眼差しで見つめる娘。
一方、スマホン片手に仕事中の親父は気づかない。

さあ、大勢の乗客を乗せ走り出した高速鉄道
ほどなくデッキでうずくまった先ほどの女に異変が起こり始めるのだった。

物語は、プサン行き韓国高速鉄道内で繰り広げる死闘を描いたゾンビパニックホラー。

閉鎖された逃げ場のない空間。
瞬く間に感染が広がり、怒涛のように押し寄せてくるゾンビに人々はどう立ち向かうのか。
そして、何も知らずこの高速鉄道に乗り合わせた親父と娘はどうなってしまうのだろう。

怪物とは人を襲うゾンビのことか。
いやいや、本当の怪物は我々の心にこそ潜んでいると物語はいう。

一難去ってまた一難。
ハイスピードで畳み掛けてくる脅威に最後まで気が抜けない。

カネのためなら手段を選ばない。
自分と娘が助かるためなら他はどうでもいい。
そんなどうしょうもなくエゴイスティックなクソ親父が、生き残りをかけた戦いの中、人の醜さや人情に触れ、人間的な成長を遂げてゆく姿が見どころ。

ゾンビをそのままテロリストに置き換えるとより現実味を帯びた恐怖を感じる。
新幹線で起こった殺傷事件を思い出す一作。

主演のコン・ユは大沢たかおにちょっと似ている。

コン・ユ
「メモリーズ 追憶の剣」のキム・スアン
マ・ドンソク
チョン・ユミ
チェ・ウシク
アン・ソヒ
チェ・グィファ
パク・ミョンシン
イェ・スジョン
キム・ウィソン共演。

原題「TRAIN TO BUSAN」
2016年 韓国 制作。