おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

アルコール夜通し転宅

天気は一転、朝からどんより暗い雨まじりの一日。

映画「アルコール夜通し転宅」を観た。

ここは酒場の入り口。
人待ち顔に佇んでいる二人の男がいる。
だぶだぶの服を着たルンペン男と、もう一方はシルクハットのお洒落な気取り屋だ。

そこへおなじみのちょびヒゲ野郎がひょこひょことやってきた。

よお、待たせてしもたな。
そんなことあらへんで。

待ち合わせをしていたルンペン男とちょびヒゲ野郎は、仲睦まじげに挨拶を交わしステッキでど突き合う。

おっと、勢い余ったステッキが、隣の気取り屋さんめがけてスイング。
ドスッ。

なんて失敬なッ。
気取り屋さん、激おこぷんぷん丸だ。
ちょびヒゲ野郎めがけ、つい反撃の蹴りが入ってしまった。

なんやこいつ、シルクハットなんぞ被りおってからに。
ブルジョア野郎め。
なにいちびっとるんや。

あわやケンカになりかけたところへ警官がやってきた。
気取り屋さんが事情を話している隙を狙い、二人はそそくさと逃げるように酒場へと消え行くのだった。

物語は、したたかに酔っ払った足元おぼつかない男たちが繰り広げるドタバタコメディ。

思考は鈍り、あらゆる動作が緩慢かつ粗くなってしまう、そんな酩酊状態を面白おかしく描いている。

階段で大コケし鼻先から倒れゆくといった、観客をドキッとさせる身体を張ったアクションが見どころ。

室内と外とでモノクロームのトーンを使い分けているサイレントのショートムービー。
字幕の台詞はごくごくわずか。
古い作品ながらパントマイムだけで万人に通じてしまう点が素晴らしい。

「ライムライト」のチャールズ・チャップリン
ベン・ターピン
カサブランカ」のレオ・ホワイト
バド・ジェイミソン
エドナ・パーヴァイアンス共演。

原題「A NIGHT OUT」
1915年 制作。
サイレント、モノクローム