おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

フューリアス 双剣の戦士

日差しのありがたみを感じる晴天の一日。
シャーレーポピーが思いのほかたくさん発芽し、いよいよ6号鉢が手狭になってきたので思い切ってプランターに移植した。
この寒空の中での移植が吉と出るのか、凶と出るのか。
しばらく様子を見てみよう。

映画「フューリアス 双剣の戦士」を観た。

時は13世紀。
チンギス・ハーンのモンゴル軍勢がルーシ勢をカルカ河畔で撃破。
ルーシの領主たちは、勝利を祝うモンゴル軍の宴席で惨殺されたという。
そんなモンゴル勢の残酷極まりなさを物語る前置きから幕を開ける。

ここ城壁に守られた美しい都市リャザンで衛兵長を務める男がいる。
双剣を軽やかに操る様はさながら糸車のようで、それにちなんで名をコロヴラートという。

しかしながらこのコロヴラート、ある病を抱えていた。
13年前、モンゴル兵の奇襲を受け、脳に記憶障害を負ったのだ。
以来、目覚めるたびに記憶はリセット。
少年時代のあの恐怖の日に巻き戻ってしまう。

そんなわけだから彼の一日は、現在の記憶を取り戻すことから始まる。
彼の妻は、毎朝恐怖に暴れて目覚める夫を落ち着かせる役割を担っていた。
なんとも厄介な主人公である。

さて、ここしばらく平和が続いていたリャザンに、突如としてそれはやってきた。
雪原を黒く染めるほどのおびただしい大軍。
モンゴルの大軍勢が町をぐるりと取り囲むように現れたではないか。

近隣の町に救援を求める隙もなく、籠城戦にしても圧倒的に兵士が足りない。
ああ、絶体絶命。
そこで、リャザン大公は時間稼ぎと和平交渉のため使者を送ることにした。

こうして、大公子息と護衛役のコロヴラート一行は貢物を携え、敵大将バトゥ・ハーンの天幕に向かう。
そこで彼らを待ちうけていたもの・・・それは宴席だった。

嫌な予感は見事に的中。
おぞましい血の宴席と化した敵の野営地から決死の脱出を果たすものの、時すでに遅し。
ああ、リャザンの町は黒煙に包まれ、破壊と虐殺に変わり果てていた。

故郷を、そして愛する家族を失い絶望に打ちひしがれるコロヴラート。
シャキーーーン!
その時、彼のリミッターが外れ、双剣が宙を舞うのだった。

手勢1000人か、あるいは5000人か。
いやいや、その数わずか24人だったという。
物語は、ロシア人の不屈の精神を象徴する英雄の姿を描いた、極寒の雪原で繰り広げるソードアクション。

天上人のようなルーシ人、そして魔界の軍勢を思わせるモンゴル人の出で立ち。
いずれも煌びやかで、この凝った服飾デザインが見どころ。

一方、肝心のストーリーはどうか。
リミッターが外れてエンジンがかかるのがあまりに遅すぎ、記憶障害を抱えた主人公になかなかカリスマ性が見出せない。
記憶がリセットされるのを恐れ、ひたすら睡魔と闘う朦朧とした男が戦場にひとり紛れ込んでいるような印象。

戦略的に優れいているわけでもなく、わずかな生き残りと共に自滅的な戦いに突き進んでゆく主人公。
大軍相手にも怯まず敵を恐れさせた男とされているが、本作品から鑑みるに単に後先考えない性格だったのではないかと思う。

イリヤ・マラコフ
ポリーナ・チェルニショヴァ
アレクサンドル・イリン
ユリヤ・フリーニナ
イゴール・サヴォチキン
アレクサンドル・ツォイ共演。

原題「FURIOUS」
2017年 ロシア制作。