おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争

ぼんやりと薄日の差す一日。
日中はだいぶ暖かくなり、春を感じる空気になってきた。
そこで、去年差し芽で更新したスペアミントレモンバームの植え替えをした。
ミントの根っこは冬でも成長すさまじく、鉢の縁に沿うようにとぐろを巻き鉢底石も覆いつくす勢いだ。
ミント類に限っては、苗が貧弱でも最初から大鉢に植えといたほうがよかったかも。

映画「フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争」を観た。

風光明媚な海沿いの道を走る二人乗りのバイク。
どうやら一台の車を尾行しているようだ。
ちょうどガソリンスタンドで停車したところへ近づき、懐から取り出した拳銃で1発。
2発、3発、4発・・・執拗なその数13発。
彼らは確実に息の根を止めるつもりらしい。
そんなシーンから物語は幕を開ける。

時は1975年。
麻薬取引にからむギャング同士の抗争が激化するここはマルセイユ
マルセイユを経由するヘロインの密売ルート フレンチコネクションがニューヨークに進出したことで、今や国際問題にまで発展していた。
広がる麻薬汚染に危機感を募らせる世論の高まりもあって、ついに市長が浄化作戦を宣言。
司法と行政がガッチリ手を結び、本腰を入れた麻薬密売組織の摘発が始まる。

そこで白羽の矢が立ったのが、青少年の事件を担当していた検事だった。
組織の末端として搾取される若者たちを目の当たりにし、麻薬撲滅に意欲を燃やしていた彼は、このたび摘発の舵取りを担う重犯罪担当へ栄転とあいなった。

ところが実動部隊の警察は何から手をつけていいのか分からない有様。
それもそのはず。
組織はカリスマボスの恐怖によって支配されており、誰も元締めの名を言わない。
証人になろうものなら命が危ういものだから、冒頭のような事件があっても一切情報が出てこないのだった。

さて、そんな閉塞感に唸る検事のもとへ、若い娘が助けを求めて来た。
彼が以前摘発し、更正施設に送った麻薬中毒の娘である。
なんと、カレシが売人だというではないか。

彼女の貴重な証言から麻薬の流れを掴んだ検事。
さっそく原料が持ち込まれる生産工場を一網打尽にするべく捜査班を送り込んだものの、組織の方が一枚も二枚も上手だった。
生産工場と睨んだ屋敷は見当違い。
ほどなく売人のカレシは遺体となって発見。
麻薬を断っていたはずの娘もまた、過剰摂取により死亡したという。
組織による徹底した口封じだった。

彼女を助けるどころか死に至らしめてしまったよ。
この一件が、彼をなりふり構わぬ捜査へと駆り立ててゆくのだった。

物語は、フレンチコネクションを束ねるカリスマボス摘発に執念を燃やす検事の姿を描いた、70年代マルセイユにおける大捕物。

世界各地で今なお続く麻薬戦争。
人を不幸にするこのビジネスがなぜなくならないのか。
検事とカリスマボス、二つの視点を通して社会の闇を見つめる。

信念を貫き伝説となるか、それとも権力におもねって上手く立ち回るか。
観る者に、その生き方を問う。

忖度まんじゅうを食っていたほうが充実した人生を送れる。
それが、理想とは程遠い世の中と折り合いをつけるということではないかと思う。
引き際を見極められなかった主人公は不器用ともいえる。

特段の目新しさはないものの、主演ジャン・デュジャルダンの魅力が光る一作。

ミケランジェロ・プロジェクト」のジャン・デュジャルダン
「君と歩く世界」のセリーヌ・サレット
タイピスト!」のフェオドール・アトキン
ベルナール・ブランカ
ギヨーム・グイ
キリマンジャロの雪」のジェラール・メラン
「スウィッチ」のブリュノ・トデスキーニ
「アデル ファラオと復活の秘薬」のジル・ルルーシュ
メラニー・ドゥーテ
ブノワ・マジメル
「インターセクション」のムーサ・マースクリ
シリル・ルコント共演。

原題「LA FRENCH」
2014年 フランス、ベルギー制作。