おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

VR ミッション:25

ぽかぽかと暖かい日差しが降り注ぐ晴天の一日。

映画「VR ミッション:25」を観た。

モニター上にはおなじみのサバイバルシューティングゲームが展開している。
スコアランキング上位者を抽出し、そのプロフィールにアクセス。
条件適合者に次々とメールが送られてゆく。
そんなネットワークを仮想空間に見立てた映像から物語は幕を開ける。

ここは売出し中の垂れ幕が下がったオフィス街のど真ん中に位置する高層ビル。
がらんとした25階のオフィスに人が集まっている。
冒頭のメールでゲームのベータテストに招待された8名の男女だ。

最新のテクノロジーを駆使した体感装置で、限りなく実戦に近い戦闘を体験できるという。
彼らは音声ガイダンスに従ってハイテクスーツに着替え、ヘルメットのバイザーを下ろす。
すると、先ほどまでのオフィスは消えうせ、廃墟と化した戦場の空間が目の前に広がるではないか。
ビルの外は軍用ヘリが飛び交う瓦礫の街だ。
そのあまりにもリアルな仮想空間に彼らは驚いた。
ゲーマーにとっては天国や。

ゲームは単純で、ビルからテロリストを排除するフロアごとのミッションをクリアしながら地上の出口を目指す。
スコアランキングトップの優勝賞金は10万ドルだという。
へえ、こりゃすごい。
今をときめくeスポーツってやつでしょうか。

ところが、ゲームが始まってほどなく彼らは異変に気づいた。
人間は痛みを知って初めて真実に気づくという。
撃たれた痛覚が本物ではないか。
これってやばくね?

優勝賞金に釣られ、リアリティ番組の企画か何かだと思っていた彼らの甘い考えは一気に吹っ飛んだ。
これはゲームなんかじゃない。
主催者はいったい何者なのだろう。
その意図が分からない。

恐れをなした彼らはゲームを離脱しようとするものの、扉は堅く閉ざされ、どういうわけだかこのスーツを脱ぐこと叶わず。
ビルを出るにはどうやらミッションをクリアするしか無さそうだ。
さあ、とんでもない事態に巻き込まれた彼らの運命はいかに。

物語は、行過ぎたリアリティをテーマに、無人の高層ビルでサバイバルゲームを余儀なくされるゲーマーたちの顛末を描くアクションスリラー。

戦場を楽しめるのは平和な世界に生きている人間の証だ。
よりリアルな興奮を求めてきたゲーマーたち。
でもそれが、命の危険をも脅かすほどのリアルなものだったら。
現実と仮想空間の境が曖昧になった世界に放り出された彼らの戸惑いを通し、戦場を遊びと捉える我々の倫理観を問う。

都会の真っ只中で、ガラスひとつ隔てて隔離される緊張感は低予算ながらなかなかのもの。
ただ、オチでもある黒幕の存在と、その動機付けがあまりに弱く拍子抜け。
脚本にもうひとひねり、いや二ひねりくらい欲しかった。
残念。

「宿敵 因縁のハットフィールド&マッコイ」のマックス・ディーコン
高慢と偏見とゾンビ」のモーフィッド・クラーク
パーカー・ソーヤーズ
ダギー・マクミーキン
アリ・クック
アドリアーナ・ランドール
トム・ベネディクト・ナイト
ボリス・レール
クリス・オビ共演。

原題「THE CALL UP」
2016年 イギリス制作。