おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

ナチスが最も恐れた男

ぼんやりとした薄日の一日。
風があるので体感温度はやや低め。
花も終わり、ばっさり剪定したカランコエをいくつか挿し穂にした。
まだ20度を下回っているから根が出るのはだいぶ先かな。

映画「ナチスが最も恐れた男」を観た。

時は1940年。
ソビエトフィンランドを侵略。
ソビエト兵を相手に睨み合う雪原 サッラ前線。
爆風で舞い上がる黒土と鮮血に怯むことなく戦う、若きノルウェー人傭兵の姿から物語は幕を開ける。

その2ヵ月後、彼の祖国ノルウェーナチスドイツによって占領されてしまう。
列強と国を接するって苦労が絶えないね。

ナチスの旗がはためく、ここはオスロの街。
帰還した冒頭の傭兵をはじめ、若者たちがビルの屋上に続々と集っている。
活気溢れるその姿はさながらスポーツサークルのよう。
降伏を拒む彼らは、ここにレジスタンスを結成。
愛国心を訴えるプロパガンダ用のビラを街にばら撒く地下活動を始めた。

でもね、まだ活動家としては脇の甘いシロウトの集まりじゃった。
さっそく秘密警察に嗅ぎつけられ、自宅で待ち伏せに遭ってしまう。

さあ、もう逃げられない。
このまま逮捕されれば拷問が待ち受けているだろう。
彼が口を割り、仲間の情報が漏れればレジスタンスは壊滅だ。
どうする?

その時、彼は捨て身の行動に走った。
窓をぶち破って数階下の外にダーーーーイブ!

運悪ければここで死ぬか、生きて逮捕までの時間を稼ぐか。
おそらく彼にとって究極の二択だったに違いない。
この「窓ぶち破りダイブ事件」は語り草となり、彼は世に広く名を知られるようになる。

さて、病院送りとなったおかげで逃亡のチャンスを得た彼は、スコットランドのフォレストロッジ訓練所へ向かった。
ノルウェー臨時政府と亡命中にあるノルウェー王が統括するノルウェーレジスタンスの拠点だ。
そこで仲間と共に訓練を受けた彼に、いよいよ本格的な任務が与えられる。

それは、妨害工作員として祖国ノルウェーで暗躍すること。
占領しているナチスドイツからしてみれば、彼らは市民との区別がつきにくい、神出鬼没の恐るべきテロリストであった。

物語は、傭兵マックス・マヌスにスポットライトを当て、第二次世界大戦下におけるノルウェーレジスタンスの戦いを描く。

レジスタンスの破壊工作のたびに関係のない庶民が疑われ報復に遭う。
たとえ敵の出鼻をくじく快挙だったとしても、手放しでは喜べない。

彼らは、無駄に犠牲を増やしただけではないのか。
大義のためなんて言い種は、政府やテロリストがよく使う都合のよい欺瞞だ。
作品は祖国を解放に導いた英雄を讃える姿勢をとっているが、その行動については甚だ疑問が残る。

「オデッセイ」のアクセル・ヘニー
ニコライ・クレーヴェ・ブロック
アグネス・キッテルセン
クヌート・ヨーネル
クリスティアン・ルーベク
マッツ・エルドーン
ラグナロク オーディン神話伝説」のポール・スヴェーレ・ハーゲン
イングロリアス・バスターズ」のケン・デュケン
ヴィクトリア・ヴィンゲ共演。

原題「MAX MANUS」
2008年 ノルウェー制作。