おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

イグジステンズ

すっきりしない曇り空の一日。
三月も残すところあと一日となった。
ヨーグルトのパッケージデザインがいつの間にか変わり、しかも内容量がさらに減っている。
ヨーグルトが500グラム入りだった時代が懐かしい。

映画「イグジステンズ」を観た。

時は近未来。
田舎の集会場で、これから最新ゲームの試作発表会が行われるという。
世界的に有名な女性ゲームデザイナーを案内役に12名の選ばれたユーザーが体験参加する。
ゲームファンたちはわくわくしながらステージ上の参加者を見守っていた。

見た目は中山式快癒器。
つくりはぐにゃぐにゃした有機体。
そんな奇妙なゲームポッドと脊髄に開けたポートをへその緒みたいなコードで繋ぎ、意識をゲーム上の仮想空間に飛ばす体感バーチャルゲームだ。

さて、ゲームが始まろうという矢先のことじゃった。
ファンのひとりが立ち上がるなり、悪魔に死を!と叫びながらデザイナーに向かって発砲。
会場は阿鼻叫喚の大混乱に陥った。

そんな会場でのほほんと警備係をやっていた見習い社員の男がいる。
彼は、ゲーム会社の上司から負傷したデザイナーを守るよう託された。
混乱の会場から急ぎ彼女を連れ出し、暗闇の田舎道をあてもなく車でひた走る。

なぜ、ゲームデザイナーが命を狙われるのだろう。
まったくわけが分からないよ。

しかも、彼女の肩に撃ち込まれていたのは弾丸ではなかった。
ヒトの歯ではないか。

何と面妖な・・・というかキモイ。
どおりで警備の金属探知機に引っかからなかったわけだ。
いったい何が起こっているというのだろう。

ゲームデザイナーの彼女いわく、先ほどの発砲でゲームのオリジナルデータが入ってるポッドが傷ついてしまったという。
これを救うためには、彼女と一緒にゲームをプレイするしかないというのだ。

意味がわからん。
ポッドがまるで生き物みたいな言い草だな。

それに、この見習い社員はゲームが出来なかった。
なぜなら身体に接続ポートがなかったのだ。
ゲームのために身体に穴を開けるなんて考えただけでゾッとする。
しかも失敗すれば半身不随になる恐れがあるというではないか。
彼は、そんなのまっぴらごめんだった。

でもね、ゲームには5年の歳月と巨額の開発費がかかっており、我が子も同然だと凄む彼女。
押し切られた彼は、渋々承諾せざるを得ない。

・・・なんか本当に悪魔みたいな女やな。

こうして二人は、闇で脊髄ポート手術を行うガソリンスタンドへ駆け込むのだった。

ゲームの世界が、仮にもうひとつの現実だとしたら。
物語は、リアルすぎる謎解きゲーム「イグジステンズ」の秘密に迫ってゆくSFサスペンス。

どこまでが現実でどこからが仮想空間なのか。
ゲームが現実世界と変わらぬリアルさゆえ、その境目が次第に曖昧になってゆく。

彼らが目覚めた世界は本当に現実だったのだろうか。
ひょっとしたら、ゲーム内の新たなステージで再び役柄を演じているだけなのかもしれない。
終わりのない悪夢に飲み込まれてしまったかのような一作。

ゲームポッド工場のラインを流れるカエルが可愛く、解剖される姿に心が痛んだ。
つくりものとはいえ、しどい。

クローサー」のジュード・ロウ
「キル・ユア・ダーリン」のジェニファー・ジェイソン・リー
クリス・レムシュ
死ぬまでにしたい10のこと」のサラ・ポーリー
「処刑人」のウィレム・デフォー
レジェンド 狂気の美学」のクリストファー・エクルストン
「ブルーに生まれついて」のカラム・キース・レニー
ブラインドネス」のドン・マッケラー
ロバート・シルヴァーマン
オスカー・スー
「シェフとギャルソン、リストランテの夜」のイアン・ホルム共演。

原題「EXISTENZ」
1999年 カナダ、イギリス制作。