おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

私が、生きる肌

桜の花びらが舞う暖かな一日。
昨日の統一地方選挙は、一票を投じた大阪維新が票を伸ばした。
市議会が過半数に若干満たなかった点が惜しまれるものの、地方行政の改革が再びスタートラインに立てるようになった。
どっかの候補者みたいに勝ってウェーイと浮かれることなく、会見で厳しい表情を浮かべていた新知事と新市長なら、きっと市民の期待に応えてくれると思う。

映画「私が、生きる肌」を観た。

丘陵に沿うようにレンガ色の建物が並ぶ古都トレド
緑に囲まれた閑静な一角にヴィラがある。

ここに、全身タイツのようなスーツを纏いヨガのポーズをとっている女性がいる。
彼女は麻布を細かく裂いては、それを皮膚のように彫像に貼り付けてゆく。
現代アーチストだろうか。

食事が専用のエレベーターで運ばれてきた。
監視カメラで四六時中モニターされている部屋。
外部とはインターフォンごしにやり取りをしているみたいだ。
彼女はここに閉じ込められているのだろうか。
そんな奇妙なシーンから物語は幕を開ける。

さて、火傷の患者に対して行う顔面移植手術について講演を行う男がいる。
彼は、自宅のヴィラに併設した研究施設で、金持ちの顧客に特別な手術を行う形成外科医だ。
豚の細胞遺伝子をヒトの細胞に組み込み人工皮膚を作り出す、生命倫理に反した研究に没頭しているという。

冒頭の女性に、この人工皮膚を貼り合せる手術を行っている。
彼女も身体に火傷を負った患者なのだろうか。
新しい皮膚を保護するため、全身タイツのスーツで身体を覆っているようだ。

彼が女性を見つめる眼差しからは患者以上の執着が窺える。
それもそのはず。
女性は、彼の死んだ妻に瓜二つだという。

妻は自動車事故で焼死。
しかも、ひとり娘もまた自殺で失っている。
才能にも経済的にも恵まれているのに、不遇の人生ではないか。

おや?
妻でも娘でもない。
すると、彼の創造物たるこの女性はいったい何者なのだろう?

物語は、亡き妻を再生しようとする男の、狂気に満ちた愛と復讐のエロティックサスペンス。

後半からの思わぬ展開に驚く・・・いや慄く一作。

世の中には、女性に対する性暴力が溢れている。
主人公の出生も、おそらくそれに近いものがあったのではないかと推測する。
この魂の死とも呼ばれる性暴力は、主人公の所業に匹敵するほど罪深いものだと物語はいう。

心と身体の傷を一生背負い続けなくてはならない被害者と同じく、加害者が一生罪と向かい合うにはどうしたらよいか。
その答えがここにあるような気がする。

エージェント・マロリー」のアントニオ・バンデラス
ワンダーウーマン」のエレナ・アナヤ
ライフ・イズ・ビューティフル」のマリサ・パレデス
ロベルト・アラモ
ジャン・コルネット
アイム・ソー・エキサイテッド!」のブランカスアレス
ジュリエッタ」のスシ・サンチェス
「ザ・トランスポーター」のバルバラ・レニー共演。

原題「LA PIEL QUE HABITO」
2011年 スペイン制作。
R-15+