おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

博士と彼女のセオリー

やや曇りがちな一日。
昨日から空気が冷え込み、季節が逆戻りしたかのよう。
プランターシャーレーポピーがトゲトゲした産毛状の蕾を付けはじめた。

映画「博士と彼女のセオリー」を観た。

時は1963年。
ここは英国ケンブリッジ
キャンパス内の路地を友人と自転車でかっ飛ばす、青年の楽しげな姿から物語は幕を開ける。

彼の名は、スティーヴン・ホーキング
宇宙物理学研究のかたわら核兵器廃絶デモに参加する、変人にして秀才と謳われるめがね男子学生じゃった。

さて、辿り着いたのは学内のパーティ。
彼はそこで、たまたま友人と来ていた女子学生に出会った。

彼女の専攻は言語学
中世スペインの詩について研究しているという。
しかも英国教会の信徒で、無神論者の彼とはまるで逆。
にもかかわらず二人の会話は弾んだ。

宇宙の全てを説明するたったひとつの方程式を探しているという彼と、タイムトラベルで中世に行ってみたいと語る彼女。
真理の探究者であると同時にロマンチストでもあった二人は、互いの感性、すなわち魂に惹かれた。
ああ、これは結ばれるやろうね。
傍目にもそう思う素敵なカップル誕生だった。

クラスでも群を抜く成績で、教授からの期待も熱い青年。
模索していた研究テーマもカタチになりつつあり、未来は前途洋々に思われた。

ところが、この頃から病の兆候が現れ始める。
始めはペンを掴み損ねてしまうような些細なことだった。
彼は研究に没頭するあまり、足がもつれて倒れこみ意識を失うまで身体の異変に気づかなかった。

運動ニューロン疾患。
ここにきて驚くべき事実を医師から告げられる。
運動神経細胞が侵され、脳からの命令が筋肉に伝わらなくなり衰えてゆく死の病だという。
治療法はなく、余命2年を宣告されてしまったよ。

うそやろ。

あと2年でどれだけ研究できる?
彼はそう考えた。
時間がない。
そして皮肉にも、時間そのものが彼の研究テーマとなった。

一方、彼女はどうするのだろう。
先のない余命2年男が相手だ。
捨てて逃げ出したとしても誰も責めはしないだろう。

ところが、彼女は思っていた以上に肝の据わった女だった。
研究する彼を助け、共に生きることを選んだのだ。
やっぱり運命のしとやったんやな。

さあ、こうして二人は学生結婚。
時間に抗い、生き急ぐような日々が始まるのだった。

物語は、宇宙物理学の巨匠ホーキング博士の私生活を、夫妻のなれそめに遡って描くヒューマンドラマ。

愛する人のために何が最善か、苦しみながらも模索する夫妻の姿が印象的。
型に囚われない、さまざまな夫婦の愛のカタチがあるんやでと物語はいう。

たびたびメディアに登場しては、宇宙に関するユニークな説を披露していた博士にこんなエピソードがあったとは。
肉体を離れた今、博士は念願だった宇宙の真理に触れることが出来たのだろうか。
そう願いたい。
注目の俳優エディ・レッドメインの熱演もあって胸熱くなる一作。

リリーのすべて」のエディ・レッドメイン
わたしの可愛い人 シェリ」のフェリシティ・ジョーンズ
ゲーム・オブ・スローンズ」のハリー・ロイド
ワンダーウーマン」のデヴィッド・シューリス
THE 4TH KIND フォース・カインド」のエンゾ・シレンティ
マジック・イン・ムーンライト」のサイモン・マクバーニー
アビゲイル・クラッテンデン
「やさしい本泥棒」のエミリー・ワトソン
「白鯨」のチャーリー・コックス
マキシン・ピーク共演。

原題「THE THEORY OF EVERYTHING」
2014年 イギリス制作。