おかめさんのキネマ手帖

映画の予備知識は限りなくゼロに近いのが理想や。 そう思うてるライトユーザーなオバハンがつぶやく ぼちぼちな映画日記やで。

アラビアンナイト

ぼんやり薄曇りの一日。
もうじき梅雨入りか、湿度が上がってきた。
フウセンカズラの本葉が5枚出揃った。
去年は何もせずに下のほうがスッカスカになってしまった失敗を踏まえて芽掻きを試みる。
さて、今年のグリーンカーテンは満足のいく出来栄えになるでしょうか。

映画「アラビアンナイト」を観た。

真実は複数の夢の中に少しずつ現れる。
そんな前置きから物語は幕を開ける。

ここはアラブの市場。
月の女と呼ばれる黒い肌をした若い奴隷が売りに出され、周りに人だかりができている。
買い手が次々と手を挙げる。
ところが、いくらカネを積もうとも彼女は承知しないばかりか、傲慢な買い手らを罵る始末。
競売人いわく、なぜか決定権は彼女自身にあるのだという。

そのうち彼女は、飴を舐め舐め競売を見物していた頭のユルそうな若造を指差した。
カネなど無さそうだけれど、どうするんやろ。
すると、彼女は懐からそっとカネを出し、1000を競売人に、残りで家を借りるよう若造にいう。
おや、奴隷に養われるとか、立場がまるで逆ではないか。

さて、この女奴隷、床上手なうえに、若造が寝てる間にそれはそれは見事な織物を織り上げる。
おお、まるで鶴の恩返し。
彼女いわく、この織物を市場に持っていけば200ディナールで売れるという。
ただし、どんな値段でも青い目の男に売ってはダメ。
悪いことが起こるというのだ。

こうしてカネを生み出す理想の奴隷を手に入れた若造。
ほくほくしながら織物を抱えて市場に繰り出す。
そして彼女があれほどダメだと言ったのに、高額の対価を提示した青い目の男にあっさり売ってしまうのだった。
こいつはアホですか。

物語はペニスとヴァギナをテーマに、貪欲な男女の性愛を描き出す荒唐無稽な群像劇。

男女のどちらが優れているのか賭けをする王と王妃の話。
いとことの婚礼の日に、別の女に恋した男の話。
男嫌いだという、まだ見たことも無い姫に恋した男の話。
悪魔に囚われた王女に恋した、旅の王子の話。
神のお告げを受け、船旅に出た東洋の王子の話。

メインストーリーのほか、これら5つのサイドストーリーによって構成されている。
ストーリーは物語の中のさらに物語の中へ、あるいは夢の中へと深く深く潜り、主体が次々と移ろってゆく。
見どころは、砂漠の国の異国情緒溢れる街の風景か。

性愛の描写が露骨でモザイク率がすこぶる高い。
どこもかしこもモザイクだらけ。
これほどモザイクが多い作品も珍しい。

下半身で考え、下半身で行動しているような知性のかけらもない男たちばかりが登場する。
そそられるようなイケメンなど誰一人出てこないというのに、女たちはたちまち彼らにメロメロなのだから不思議だ。
荒唐無稽すぎて付いてゆけず、また理解にも苦しむ一作。
残念。

フランコ・メルリ
イネス・ペレグリーニ
ニネット・ダヴォリ
テッサ・ブシェ
ルイジーナ・ロッキ
フランチェスコ・パオロ・ガバナーレ
フランコ・チッティ
アルベルト・アルゼンチーノ
サルヴァトーレ・サピエンツァ共演。

原題「IL FLORE DELLE MILLE E UNA NOTTE」
1974年 フランス、イタリア制作。
R-15+